返事をせずに迷惑をかける人も
【ケース2】返事を保留し謝らない女
保育園で親子ともにいつも一緒にいる6人のママ友がいます。保育園のない休日も、食事に行ったり、公園に行ったり。子供たち同士の仲がいいので、遊ばせている間に、ママたちはゆっくりおしゃべりができて、ストレス解消になるんです。その仲間たちと、年に2回は旅行も計画。ところがママ友の1人、麻美(35才)は、どこかに誘うと必ず、
「行きたいんだけど、パパに聞かないとわからないから」
「親がいま体調を崩しているから、すぐにお返事できないの」
などと言って数週間は返事を保留するんです。そこで私が、
「じゃあ、今回は麻美さんの参加はなしにしようか。次回また誘うから」
と言うと、
「え~。うちの子も楽しみにしているから、もう少し待って」
などと言う。はっきり断ってくれればいいのに、行きたそうなそぶりを見せるからやっかいなんです。
今年の夏にもお泊まりキャンプを予定していたのですが、麻美が決めないせいで、予約ができません。人気のキャンプ場のため、すぐに埋まってしまいそうだったので、
「予約が取れなくなるから明日には返事をちょうだい」
と言っても、
「ごめん、もうちょっと待って」
の繰り返し。結局、予定していた日時と場所での予約は取れず、夏休みに入ってから計画を練り直したため、お泊まりキャンプには行けず、ほかのママたちからも不満が……。幹事として、一言注意しようと、
「あなたが決めなかったから、どこの予約も取れなかったの」
と麻美に言ってやったんです。謝るかと思ったら、
「そんなつもりじゃなかったのに……」
と泣き出したんです。そうなると、ほかのメンバーも慰めないわけにはいかない。すると、
「パパがまだ待てって言うから返事ができなかったの。私は悪くないのに、そんなひどいこと言わないで」
と三十路過ぎの女がしゃくりあげる。この期に及んでも絶対に謝らないんですよ。
私ひとりが悪者になったみたいで、とても嫌な気分になりました。グループを抜けようとも思ったのですが子供が嫌がるだろうし。とりあえず次の幹事は絶対に引き受けない。それこそ麻美にやらせたらいいと思っています。(43才・パート)
【心理カウンセラーが解説】期限を決めて、毅然とした態度で対応
「何事も自分決断せず、先延ばしにして相手に判断をゆだねるのは自信がない証拠。悪い結果や間違った判断だったとき、責任を取ることを恐れています。こういう相手には“○日×時までに返信がないなら不参加にする”などと、期限と結論を決め毅然とした態度で対応を」(心理カウンセラー・石原加受子さん)
【プロフィール】
精神科医・井上智介さん/産業医・健診医。著書に『「あの人がいるだけで会社がしんどい……」がラクになる 職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)。
心理カウンセラー・石原加受子さん/「自分中心心理学」を提唱し、親子関係をひもときつつメンタルケアを行う。近著に『「また断れなかった…」がなくなる本 』(河出書房新社)。
取材・文/前川亜紀 イラスト/高田真弓
※女性セブン2022年8月11日号