薬の鮮度と期限

薬の鮮度と期限

 目薬は、のみ薬よりもデリケートなことが多いので注意が必要だ。二本松眼科病院の眼科専門医・平松類さんが言う。

「直射日光は避けて、涼しい場所で保管するのが基本です。冷蔵庫でもかまいません。光に当たると変質する目薬もあるので、薬局で遮光袋をもらったときは必ず入れるようにしてください。

 市販のものも、開封したら1か月以内に使い切ってほしい。特に高温にも弱いので、冷暗所に保存して、いまの時期はあまり持ち歩かないこと。目薬が手放せないという人は、職場用と自宅用を用意するといいでしょう」

 しっかりと保管することと並行して取り組みたいのは、産地を調べ、安全な薬を選ぶこと。

「特に大切なのは安易に個人輸入で薬や健康食品を買わないことです。海外産だと明らかにわかるものには、手を出さないでほしい。個人輸入はもちろん、友達が海外で買ってきた漢方やサプリメントをのむ人もいるが、おすすめできません。薬の原料は食品と同じ。高麗にんじんでも高品質なものとそうでないものがあります。

 見分けるのは困難なので、日本国内の信頼のおける漢方薬局で購入した方がいいでしょう」(小島さん)

 かかりつけの薬局や薬剤師を持つことも、安全な薬を選ぶことにつながる。

「複数の医療機関にかかっていても、薬局は1か所にまとめた方が薬を一元管理しやすいです。のみ合わせや重複した薬の有無もチェックしやすくなります。薬局をまとめられないならば、少なくともおくすり手帳を使ってください」(小島さん)

 処方薬の場合、産地を調べることもできるという。

「薬剤師に相談してみてもいいし、医薬品医療機器総合機構(PMDA)のサイトや製薬会社で情報が開示されています。中国産の原薬も品質が上がってきているし、中国産のすべてが怪しいわけではありません。それでも不安であれば、価格競争が激しくなりがちなジェネリックを避けて、なるべく先発薬を使ってもらうように医師や薬剤師に伝えることもひとつの手です」(谷本さん)

 使い方次第で薬は毒になる。無駄に恐れる必要はないが、食品と同じく“鮮度”と“産地”に気を配ろう。

※女性セブン2022年8月11日号

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