芸能

『石子と羽男』の有村架純 「笑わないと可愛くない」評価への挑戦は実に爽快

番組公式HPより

番組公式HPより

 ファンにとっては継続視聴するか否かを絞り込む段階かもしれない。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 いよいよ夏のドラマが出揃いました。ネット上の記事で目立つのは「惨敗に等しい」「総崩れ」「苦戦」といった否定的なワードです。根拠になっているのが「視聴率二桁に届かない」という指摘だったりする。果たして実情にあっているか。放送時のリアルタイム視聴を基準にする発想は、時代にそぐわなくなってはいないでしょうか?

 録画して見る人もいればTVerで無料視聴、あるいは『六本木クラス』はNetflixでも見ることができたりする。動画配信サービスならCMでストーリーが遮られることもない。自分の好きなタイミングで視聴できるとすれば、そちらを選ぶ人も増えているのでは?

 既存の視聴率を理由に否定的な話を重ねるよりも、じっくりドラマを楽しもうと考える視聴者に、いったいどのドラマの誰が見所か、どの点が面白く味わい深いか、という情報を届けることが大切かもしれません。ということで、夏ドラマで注目したい女優をピックアップ。        

●有村架純

 『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』(TBS系 金曜午後10時)。数字だけ見れば「一桁台」ですが、TVer総合ランキングや満足度調査でも好評を得ています。

 東大卒のパラリーガルを演じる有村架純さんが、収支や節約ばかり訴え理屈っぽく「頭の固い」キャラクターを、妙味あるスピード感で好演しています。「笑わない有村さんは可愛くない」などの評価も見かけたりしましたが、いやいやどうして。これまでのイメージを脱皮し、伸び伸びとチャレンジしている有村さんの姿が実に爽快です。

 石子は東大卒のプライドの高さと4回司法試験に落ちたコンプレックス、両方詰まったこじらせ人物。舌打ちしたり眉間にしわを寄せたり、グイグイ意見を述べ行動したりする一方で、どこかに弱さや繊細さ、そして純粋さを隠し持っていそう。微妙なキャラクターを有村さんが上手に演じています。

 石子の輝きを引き出しているもう一つの存在が、高卒の弁護士「羽男」こと羽根岡佳男を演じる中村倫也さんです。イヤミ感たっぷりの弁護士を、実に楽しそうに演じる中村さん。とは言っても、羽男も自信満々とはいかず「型破りな天才弁護士」に憧れているあたり、石子と形は違うがコンプレックスを抱えている。

 そう、二人は似たもの同士。正反対のキャラのようでいて、無意識に共振しあっている。有村さんと中村さんのそのあたりの演技が実に絶妙で楽しい。

関連記事

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン