ロングインタビューに答えた戸田奈津子さん
「ありがたいことにもともと体が丈夫だから、健康のことなんて考えずに自分に合った暮らしをしているだけ。食事の回数は1日2食。最近は体にいいと注目されているらしいですが、別に体のためにやっているんじゃなくて、自然にそうなっただけ。晩酌も食べ歩きも大好きで、節制も特にしていません。
それに昔から動くのが嫌いで、じっと座っていることが好き。運動すると健康にいいなんてウソだと思ってる(笑い)。唯一、シュノーケリングは好きですが、あれは泳がず、ただ浮いているだけよ」
年2回の健康診断こそ欠かさないが、新型コロナの蔓延も過剰に恐れることなく、のんきに暮らしていると笑う。
「検診検査は血圧からがんまで、徹底的に調べてもらっています。もちろん、誰もがんや認知症にはなりたくないし、高齢になるほどそれらを防ぐことは難しい。だけど“自分の好きなことをやりたいから、病気なんて寄せつけない”という気持ちで、ある程度は病気を押し戻すことができるんじゃないかと思っているんです。
実際に私は、周囲の友人が更年期に悩む50〜60代の頃、モーレツに忙しくて時間がなくて『更年期で仕事ができなくなるなんてぜいたくだ。私にそんな余裕はない』と自分に言い聞かせていたら、一日としてつらい症状は経験しませんでした。たまたま運がよかったのも確かだと思いますが、病気に負けないという強い心持ちが、ある程度の“つっかい棒”にはなるはずです」
(第5回へ続く)
文/池田道大 取材/辻本幸路 撮影/田中智久
※女性セブン2022年8月18・25日号
「女ひとりの人生はあまりに短い。だから私は映画を観るのです」
手帳はスティーブン・スピルバーグ監督からの贈り物を約40年にわたって使っている