最高のかかりつけ医との出会い方とは
経営悪化のしわ寄せは、看護師や事務員にまで及ぶ。
「仕事ができる人ほど、病院の経営状態や職場環境の悪さに嫌気が差し、職場を移ります。実際に’20年には東京女子医科大学病院で400人もの看護師が退職を希望して大きく報じられました。これは事務員も同様で、人手不足で劣悪な労働環境になると看護師や事務員のサービスが低下して、患者が不利益を被るリスクが増します」
大病院の受付の事務員や看護師が暗い表情をしていたら注意した方がよさそうだ。都立や国立の大きな病院にも難点がある。
「都立や国立の大病院のなかには、本当は大学病院で研究がしたいのに自分が所属する医局の都合で、臨床に引っ張り出された医師が結構います。そうした医師は患者を頻繁に診ておらず、机上の空論を述べがちで、病態の急変などに対応できない恐れがあります」
もちろん、大きな病院のなかにも志を持って患者のため懸命に働く医師はいる。
「給料が安く『外勤』でヘトヘトになりながらも、次のステップアップになるからとモチベーションを維持する若手医師もいます。また、総合病院のなかでも最先端の医療に挑戦している優秀な科もあります。大きな病院だからダメと一括りにはできません」
ただし、現実的にかかりつけ医を選ぶとしたら、クリニックなど小規模な医療機関の方が有利になりそうだ。
「大きな病院を受診するには紹介状が必要で、風邪や腹痛、頭痛など軽めの症状なら大きな病院よりもクリニックを受診した方が時間や手間を省けます。クリニックなどで信頼できるかかりつけ医をつくり、大病院の受診が必要になったら、どの病院にするかをかかりつけ医に相談できれば理想的です」
※女性セブン2022年8月18・25日号