阪神は生え抜きの日本人4番打者が長年育っていない。その理由について、阪神担当記者はこう分析する。
「甲子園は広いし浜風で右翼の打球が戻されるので左打者は特に不利です。そうなると、必然的にホームランより、アベレージに重点を置くようになる。でも佐藤は和製大砲として本塁打にこだわってほしいし、中距離打者にシフトできるほど器用なタイプではないと思う。一番怖いのは試行錯誤を繰り返すうちに輝きを失ってしまうことです。打者としてのタイプは違いますが、同じドラフト1位の高山俊は典型的な例です。天才的な打撃センスで1年目に新人王を獲得しましたが、2年目以降は選球眼の悪さを指摘されるようになり、打撃フォームがコロコロ変わって伸び悩んだ。指導者の責任も重大です」
佐藤をどう育てるのか。我慢して4番で起用しても、首脳陣と佐藤自身が同じビジョンを描いていなければステップアップできない。ホームランアーティストとして稀有な才能を持っていることは誰もが認める。勝負の夏場に復調し、豪快なアーチを量産する姿を見せてほしい。
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