2021年9月には友好団体の集会にメッセージを送ったこともある安倍晋三氏
岸田首相が“旧統一教会排除内閣”をつくるには同教団と最も結びつきが深い安倍派を政権中枢から遠ざける必要があったが、最大派閥の軛を断つことができなかったのだ。ちなみに、旧統一教会との接点を認めた前述の安倍派の新任大臣、岡田地方創生相は森氏の義甥(姪の婿)にあたる。
森氏は改造人事について地元紙のインタビューに「私がお願いしたことはその通りになった」と語り、ご満悦な様子だ。
折しも、その森氏が会長を務めた東京五輪組織委員会を舞台に汚職事件が発覚、東京地検特捜部が組織委員会(清算法人)に強制捜査に入り、元理事を逮捕した。「五輪汚職」捜査は政界に波及するという見方もある。
自民党と旧統一教会問題とのつながりが安倍政治の残した“遺産”なら、東京五輪も安倍政権が招致し、森氏や橋本聖子氏という安倍派人脈が歴代の組織委員会会長を務めた同派肝煎りの国家プロジェクトだ。岸田政権は内閣改造後も安倍派の“負の遺産”によって支持率が急落し、窮地に立たされつつある。
※週刊ポスト2022年9月2日号