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『鎌倉殿の13人』源氏滅亡の鍵を握る公暁 “寛一郎が太刀を振るうシーン”に注目

公暁を演じる寛一郎(時事通信フォト)

公暁を演じる寛一郎

 ついに北条家の最大のライバルである比企一族が滅亡させられ、物語はクライマックスに突入しようとしているNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。ますます熾烈な権力闘争を楽しむために、後半戦に残された「謎」を専門家が解説する。

誰が源氏を滅ぼしたのか

 源平の合戦に勝利した源頼朝(大泉洋)が鎌倉幕府を開き、源氏は権力の頂点に立った。しかし実朝の暗殺により、わずか3代で途絶えてしまう。

 史実では、実朝を殺したのは、頼家の遺児である公暁(寛一郎)だ。鎌倉時代に詳しい歴史学者の細川重男氏が解説する。

「2代将軍を務めた父・頼家が追放され、幽閉先の伊豆で暗殺された公暁は北条家に並々ならぬ恨みを抱き、北条家がバックにつく実朝を殺すテロ行為に及びました。犯行時、満年齢で19歳だった公暁の中では“父の仇を取ることが正義”となっていたはずです」

 実朝暗殺には様々な「黒幕説」がある。

「義時の盟友の三浦義村(山本耕史)は公暁の乳母夫でもあり、公暁から味方だと思われていました。公暁は実朝殺害後、その首を三浦家に持参しようとしたことからも『三浦義村黒幕説』が唱えられます。『義時黒幕説』や『後鳥羽上皇黒幕説』もありますが、実朝を殺しても誰にもメリットはない。私は公暁の単独犯行とみています」(同前)

 時代劇研究家のペリー荻野氏は実朝暗殺をどう描くかに注目する。

「多くの陰謀が渦巻く鎌倉で、公暁が将軍暗殺という大事件を単独で起こすワケがありません。しかも今作の後半は老獪な中高年が若い人を翻弄する構図なので、公暁も最後は誰かに裏切られると予想します。

 1979年の大河ドラマ『草燃える』では、三浦義村が公暁を利用して実朝を殺し、それから公暁を成敗して手柄を挙げました。その時は三浦が打倒北条を狙う人物として描かれましたが、今回の山本耕史さん演じる三浦義村は今のところ義時の味方としてクールに振る舞っています。この先、三浦がどうなるか見ものです」

 そして源氏滅亡の鍵を握る公暁を演じる寛一郎にも注目する。

「父親は佐藤浩市、祖父は三國連太郎というサラブレッド俳優。大柄な寛一郎さんが実朝に太刀を振るうシーンはド迫力になるでしょう」(同前)

※週刊ポスト2022年9月2日号

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