東京大学医学部附属病院特任教授の中川恵一医師

東京大学医学部附属病院特任教授の中川恵一医師

健康サプリの“罠”

 自らもがん闘病の経験があり『知っておきたい「がん講座」リスクを減らす行動学』の著書がある中川医師はがん予防の重要性をこう説く。

「予防のためには、がんに関する正しい知識を身につけることが大切。自分が“がん家系”かどうかよりも、まず、がんの原因の5割程度と考えられている生活習慣について気をつけるべきです」

 中川医師が薦めるのは、がん情報サービスで示されている「がんの要因」として割合が高い順に取り組むことだ。例えば喫煙は、日本人男性の発がん要因の23.6%を占めている。飲酒は同8.3%。

 つまり、タバコを吸わないことや酒を1日1合に控えることががん予防の基本となるのだ。

「食生活でがんを予防できると思っている人は多いが、食物や栄養の予防効果に関するエビデンスはそれほど高くありません。例えば喫煙者がいくら野菜を摂ってもがん予防にはほぼ意味がない。

 飲酒の目安は日本酒なら1日1合、ビールなら大瓶1本まで。また、飲酒で顔が赤くなる人は食道がんのリスクが非常に高まります。私のように目安以上の量を飲んでしまう場合は、食道がんのリスクを下げる野菜を摂るようにして、熱い飲食物は少し冷ましてからにします」(同前)

“健康のために”と摂取しているサプリメントの飲みすぎも要注意だ。

「緑黄色野菜に含まれるβカロテンはがん予防に効果的ですが、サプリとして服用すると逆に肺がんのリスクが高まるとの研究結果があります。また同じ食品を食べ続けることもよくない。身体によいとされる食べ物でも摂りすぎはダメで、あらゆる食品をバランスよく食べることが大切です」

 一方で、ぜひ取り入れてほしい食生活がコーヒーを1日5杯以上飲むだ。

「肝臓がんのリスクが4分の1に低下するとの研究結果があるほか、口腔・咽頭・食道がんのリスクが5割程度低くなったとの調査結果もあります」

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