国内

子供の運動能力低下の背景に「姿勢の悪さ」 座りっぱなしの時間の長さが主因

子供の運動能力低下が問題に

子供の運動能力低下が問題に

 今年の夏休みもあとわずか。休み明けにボーッとしたり、疲れやすくなったりするのは大人も子供も同じだ。だが令和の時代は、昔では考えられないほど、体や頭、心が言うことを聞かない子供が増えている。いまの子供たちはまっすぐ両腕を上げたバンザイができないと指摘するのは、アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長の高林孝光さん。

「バンザイだけではありません。いま、まっすぐ走れなかったり、雑巾がけができなかったり、階段を上がるだけで息が切れるほど、筋力や体力がない子が急激に増えているのです。1クラス40人だとしたら、16人の子が、体育座りができない計算です。しゃがむと後ろに倒れてしまうので、体育座りを廃止した学校もあるほどです。大人からすると信じられませんが、これがいまの子供たちの現実なのです」

 2010~2013年に埼玉県の幼稚園児、小中学生1343人の基本動作を調べたところ「5秒以上片足立ちができない」子は14.7%、「しゃがみ込めない」子は15.3%、「腕をまっすぐ上に上げられない」子は7.1%、「前屈で指が床につかない」子は23.3%に達した。4つの基本動作のうち1つ以上できない子は、なんと41.6%もいた(※林承弘ら「学校健診における運動器検診の現状と今後の課題」をもとに『女性セブン』が算出)。

 基礎的な運動能力の低下の背景にあるとされるのが、姿勢の悪さだ。日本医師会や日本整形外科学会は子供の3大不良姿勢として「猫背」「あご出し」「骨盤後傾」をあげる。これらの主な原因は、座りっぱなしの時間が長いことだ。

「長時間座っていると、お尻と太ももの筋肉が硬くこわばり、骨盤が後ろに引っ張られます。すると、体が後ろに倒れないように体を丸めるため、猫背になる。そして、その状態で前を見ようとすると、自然とあごが出てしまうのです。ただでさえ、日本人は世界一座る時間が長いといわれます。特にいまの子供は学校や塾で座位時間が長いうえ、コロナ禍によって座ってゲームをしている時間が増えてしまった」(高林さん・以下同)

 姿勢の悪さは、子供の成長を大きく妨げる。背骨が左右どちらかに曲がる側弯症になると身長が伸びにくくなり、骨盤の後傾は直腸の動きを悪くして便秘を誘発する。猫背は肩こりや消化不良、食欲不振の原因になる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン