「ポンジスキーム」に誘い込んだ仲介役
民事法廷での主な争点は、現経営陣の杉浦氏サイドが、虚偽情報を流してプロキシーファイトに勝利したか否か、反市場勢力と組んでいたか否か、という2点だろう。
これについてオウケイウェイヴでは次のように回答した。
「野崎前取締役対しては『疑惑の指摘』に留めており、既に報道されている内容や関係者からの話をもとに文章を作成しています。また資料は、会社側からの警告に基づき速やかに修正しています。
さらに指摘されている大株主の方と杉浦が組んでいる事実はなく、代理を務めているようなこともありません。杉浦は『株主対応はしっかりした方がいい』という内容の申し入れをしただけです」(広報担当者)
会社設立は1999年(画像は公式サイトより)
刑事事件については、解任された前経営陣が起こした告訴を現経営陣が引き継ぐ形となったが、会社を存亡の危機に立たせた詐欺商法の全容解明を望むのは、「前」も「現」も同じだろう。
被害者はオウケイウェイヴにとどまらない。普通に考えれば、数10%の配当が確実に約束されるような儲け話が転がっているハズはないが、流暢に日本語を話すインド人の巧みな勧誘と華麗な人脈、そしてなにより目先の高配当に“幻惑”されて、100名(社)以上の投資家が関与した。動いた金額は約300億円で、少なくとも約150億円が回収不能といわれている。
オウケイウェイヴは、この巨額詐欺事件で最後にババを引かされた印象だが、スニール氏だけの犯行とは思われず、事実、オウケイウェイヴを含めた被害者を「ポンジスキーム」に誘い込んだ仲介役がいる。そうした全体像の解明が急がれている。