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深夜番組で一世を風靡したローバー美々が敏腕経営者に転身 コロナ禍で年商3倍に「私にしかできないことをやりたい」

敏腕経営者に華麗に転身したローバー

経営者として活躍するローバー(写真/木村圭司)

 テレビがまだ今に比べて“自由”だった1990年代半ば、深夜番組『どんまい!!スポーツ&ワイド』(日本テレビ系)の番組内コーナー『ロバの耳そうじ』で一世を風靡したローバー美々(52)。当時、ミニスカート姿でニュースを読むという深夜ならではのお色気キャラで人気を博した。あれから約30年、彼女はどうしていたのだろうか──インタビューを申し込み、会って渡された名刺を見ると、そこには芸名ではなく本名とともに「有限会社C.S.E.」という社名が記されていた。

「父がやっていた工業薬品を取り扱う会社で、私が取締役として引き継いでいます。とはいっても小さい会社で、アウトソーシングの方を含めると今は総勢6人くらいの規模ですね」(ローバー美々、以下同)

『ロバの耳そうじ』終了後には芸能プロダクションを設立したり、韓国留学を経て得たK-POP関係の仕事をしたり、ショーパブで働いたりと仕事を転々。生活は安定していなかったという。転機が訪れたのは2019年。発端は30年ほど疎遠になっていた父親からの突然の電話だった。

「電話があったすぐ後に父の会社に行くと、フロアに書類が散乱していました。『お父さんは疲れた。会社を手伝う人がいない』と言われ……。問屋として20社以上の取引先を抱えているので、会社を畳むと周囲にも迷惑がかかります。何の知識もないままでしたが会社を引き継ぐことを決断しました」

 自宅マンションの応接室を会社として使い、父の会社を引き継ぐことになったローバー。工業薬品については全くの素人ではあったが、嫌がられると思われていた取引先の反応は悪くなかった。

「やはりあの番組の知名度はすごかったんですね。挨拶に行くと『テレビの時より太ったね』と、冗談交じりで声をかけていただいたんです(苦笑)。私が会社を引き継ぐことがノーではないんだな、と感じました」

 そこから半年も経たない2020年の2月、世界でコロナがまん延する。会社で扱うアルコール消毒液を病院や児童館に寄付する一方で、女性ならではの視点で商品開発を進めていった。

「アルコール消毒液は手荒れやお子さんへの影響を心配される女性が多いので、ノンアルコールの除菌スプレー『きらきら美ーナス』を取引先と共同開発し発売しました。飛び込み営業で女性が通うマッサージ店や保育園に配ったりもしました。コロナ関連の除菌スプレーはコロナ禍でニーズもあったので、売り上げも伸び、お陰さまで以前に比べて年商が3倍ほどになっています」

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