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町中華ラバー・犬飼貴丈と行く都内の名店「素の自分に戻れる場所です」

町中華好きの犬飼貴丈と行くサインの多い町中華

町中華好きの犬飼貴丈と行くサインの多い町中華

 古きよき昭和の雰囲気を守りながら、安くておいしくてボリュームも満点。地域に根付き、町の人たちの胃袋を満たしてきた「町中華」。ホッと落ち着く聖地として愛され続けるお店の中でも、著名人のサインが並ぶ名店を、町中華ラバーの犬飼貴丈さんが巡りました。

【サイン色紙のあるお店を教えてくれたのは……】
町中華探検隊(北尾トロ、半澤則吉、下関マグロ)/町中華の閉店が相次ぐなか、食文化としての町中華を守り、考察し記録するために、隊長・北尾トロ、副隊長・下関マグロが2014年に結成。著書に『町中華探検隊がゆく!』(交通新聞社)など。

「この雰囲気、落ち着くなぁ」と、暖簾をくぐると、新聞紙を広げ、瓶ビールを頼む。クールな表情の中にも、どこかホッと気の抜けた笑みを浮かべる犬飼さん。今回訪れたのは、東京・新御徒町にある創業昭和42年の『幸楽』。昼時は地元の常連客で賑わい、ラーメンは70食出る日もあるという。

「幸楽」にて

「幸楽」にて

 犬飼さんが「一番人気の料理が食べたい」と、大将の小林賢吉さん(79)におすすめを聞くと、返ってきたのは“半ナシゴレンとラーメンセット”という予想外なメニュー!!

「50年以上前に、インドネシアのお客さんに作ってほしいと頼まれて、ケチャップや唐辛子を入れて自分なりに作ってみたら、それがウマイと評判になって、一番人気になっちゃった。いまも俺は本場のナシゴレンを食べたことはないんだけどね(笑い)」(小林さん)

 犬飼さんも「おいしい! チャーハンとは違って、クセになる味」と太鼓判。来年傘寿を迎える小林さんは、「そろそろ次のヒットメニューを考えなくちゃね」と、笑顔を見せた。

澄んだスープに、なるとが鎮座するクラシックなラーメン(600円)。麺は「浅草開花楼」のちぢれ麺を使用し、シンプルなスープによく絡む

澄んだスープに、なるとが鎮座するクラシックなラーメン(600円)。麺は「浅草開花楼」のちぢれ麺を使用し、シンプルなスープによく絡む

人気No.1の名物。ナシゴレンとのセットは800円

人気No.1の名物ナシゴレン。途中まで作り方はチャーハンと同じ。仕上げに独自開発した赤いペーストを投入。ペーストにはケチャップ、みそ、にんにく、山椒、ラーメンスープ、唐辛子などが入り、1週間ほど寝かして秘伝の味に

人気No.1の名物。ナシゴレンとのセットは800円

人気No.1の名物。ナシゴレンとのセットは800円

■幸楽
住所:東京都台東区小島2-1-3
営業時間:11:00〜15:00
店休日:水・土・日・祝

 20才で独立し、千葉県松戸市でラーメンの屋台を引いていたが、1年で屋台が全焼。「引いて帰れないから全部燃えるまで待ってたの。その後、幸楽を受け継いだ。屋台が燃えていなかったら、この店を継いでないから不思議だよね。もうすぐ80才になるけど、仕事があるから夫婦2人とも元気だよ!」(小林さん)。大将の笑顔もおいしさのスパイスに。

店主の小林賢吉さん、妻のさち子さん

店主の小林賢吉さんとさち子さん(75)は結婚して50年以上。あうんの呼吸で次々入る注文をテキパキとさばいていく。賢吉さんがリズミカルに鍋を振る職人技に、思わず見惚れてしまう

サインもたくさん

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「幸楽」

「幸楽」

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