妻が代表を務める政治団体が地元秘書の給料を源泉徴収せずに支払い、長年にわたって“税金逃れ”をしていた疑惑が報じられた寺田稔・総務相(時事通信フォト)

妻が代表を務める政治団体が地元秘書の給料を源泉徴収せずに支払い、長年にわたって“税金逃れ”をしていた疑惑が報じられた寺田稔・総務相(時事通信フォト)

 元文科官僚の寺脇研・京都芸術大学客員教授が言う。

「かつての安倍政権は良くも悪くも官邸が強いリーダーシップを執っていたが、今の官邸を見ていると、政府の司令塔としてのリーダーシップが見えません。岸田首相が参院本会議で『マスク着用のルールを含めた感染対策のあり方を検討する』とマスク緩和に前のめりになっているのに、内閣官房(官邸)や厚労省幹部は『新しいルールを作る話はない』と打ち消しに回ったという。首相が口にしたことを役人が否定するなど、安倍政権や菅政権では考えられない。そのひとつを見ても、岸田官邸が機能していないことがわかる」

 ただでさえ機能不全の官邸に、首相は新たに政界での経験も行政キャリアもない【13】長男の翔太郎氏を総理秘書官に起用した。これでは傷口を広げるばかりだろう。

 国民の声を「聞く耳」を持つことを強調した岸田首相だが、本人の「人を見る目」のなさは如何ともし難いようだ。

※週刊ポスト2022年11月4日号

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