官僚トップの【2】栗生俊一・官房副長官も評価が低い。事務の副長官の役目は各省庁の幹部人事に睨みを利かせ、官邸の事務を切り回すことだ。
「警察庁長官から官房副長官に起用された栗生さんは、安倍元首相銃撃事件での警備の失態に責任を感じて当然の立場です。事件後すぐに後輩の中村格・警察庁長官を引責辞任させるべきなのに、後任人事に頭がいっぱいで辞任は8月末にずれた。安倍氏の国葬では、責任者を国交省出身の【3】森昌文・総理補佐官に押しつけた」(自民党閣僚経験者)
森氏といえば、2007年6月に当時参議院議員だった大仁田厚氏主催の“乱倫パーティ”に参加していたことを本誌9月2日号で報じたばかりだ。
さらに、首相が「岸田派のホープ」と買っていた【4】吉川赳・代議士は本誌・週刊ポストが18歳女性との“パパ活”疑惑を報じている。首相が期待を寄せる人物は醜聞続きである。
首相の言葉を役人が否定
総理の“女房役”と呼ばれる【5】松野博一・官房長官。定例会見では淡々とした語り口の存在感が薄い人物だが、評価は低い。
政治評論家・有馬晴海氏が言う。
「官房長官は官邸の要で、政権の危機管理と役所間の調整を担う。しかし、旧統一教会問題は全く火消しができないし、官僚にも睨みが利かない。数々の政権スキャンダルを切り抜け、官僚の人事権を握って霞が関の全省庁に怖れられた安倍政権時代の菅義偉・官房長官とは実力が違いすぎる」
首相のお膝元の岸田派でも、側近の【6】寺田稔・総務相(元財務官僚)は妻が代表を務める政治団体が地元秘書の給料を源泉徴収せずに支払い、長年にわたって“税金逃れ”をしていた疑惑が報じられ、国会で連日追及されている。
さらに官邸には元経産事務次官という大物の【7】嶋田隆・総理首席秘書官をはじめ、【8】磯崎仁彦・官房副長官(参院担当)、総理補佐官として前出の森氏をはじめ、【9】岸信夫・前防衛相、【10】森まさこ・元法相、財務官僚出身の【11】村井英樹・代議士、【12】中谷元・元防衛相らがいるが、まるで存在感がない。