DeNAで1軍打撃コーチを務めていた2013年に、当時の池田純球団社長と口論になったことが大々的に報じられたこともあった。報道によると、2013年7月4日のヤクルト戦の試合前に池田社長が、「今日の試合はどうでしょうか」と聞いたところ、波留氏が「相手があることですから」と返答。それに対して池田社長が「勝つ気はあるのですか?」と突っ込み、波留氏も「勝つためにやっている」と語気を強めた。その後、ロッカーに響き渡る口論にエスカレートした。
チーム内で起きた内紛騒動はテレビのワイドショーでも報じられて話題に。当時DeNAでプレーした選手は騒動を振り返る。
「あの時、選手は波留さんの味方でしたよ。負けたら選手以上に悔しがっている姿を見てきたし、勝つ気がないわけがない。打撃理論を熱心に勉強していたし、試合後の特打も熱心に付き合ってくれました。こちらの悩みも聞いてくれる。コーチって監督やフロントにゴマする人が多いですが、波留さんは違う。不器用で真っすぐなんですよね。オリックスでコーチとして招聘されたことに驚きはないです」
根性野球のイメージが強い波留氏だが、それだけでは17年間もコーチとしてユニフォームを着続けられないだろう。来年はオリックスで新たなスタートを切る。黄金時代を築くため、若手野手の育成という大きなミッションを果たすことができるか。その手腕が注目される。
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