中日は変革期を迎えている。平田良介が戦力構想から外れる形で今オフに退団し、長年レギュラーを務めていた京田陽太、高橋周平も起用の優先順位が下がっている。石川昂弥、鵜飼航丞ら和製大砲が先輩たちを押しのけて主力になることを期待されるが、まだ時間がかかるだろう。岡林も来年は相手バッテリーのマークが厳しくなり、今季のような活躍をできる保証はない。
課題は少なくないが、若手は育ってきている。リーグ連覇を飾ったヤクルトも、高津臣吾監督が就任1年目の2020年は41勝69敗10分で最下位に低迷。翌年に73勝52敗18分でリーグ優勝と大躍進した歴史がある。
スポーツ紙デスクは、「投手陣を整備したのが優勝の最大の要因だが、オスナとサンタナの加入も大きかった。3番・山田哲人、4番・村上宗隆の後に2人がスタメンに入ることで打線の破壊力が一気に増した」と振り返る。
中日の今季の対戦成績を見ると、ヤクルトに14勝10敗1分と勝ち越している。広島にも15勝10敗で、巨人、阪神戦は共に12勝13敗とほぼ互角。DeNAに6勝18敗1分とカモにされたのが響いた。他球団と大きな力の差があるわけではない。かつての中日にはタイロン・ウッズ、トニ・ブランコとジャパニーズドリームをつかんだ長距離砲がいた。助っ人強打者の補強が、中日の来季の運命を左右することになりそうだ。
今季飛躍した高橋宏斗(時事通信フォト)
先発陣を牽引する柳(時事通信フォト)
初の2桁勝利を達成した小笠原(時事通信フォト)