滋賀県警本部(時事通信フォト)

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「覚醒剤を飲ませる行為は、『暴行』(殴る蹴るといった身体に対する物理的有形力の行使)とは言い難く、『脅迫』(生命身体財産等に対する害悪の告知)にもあたりません。嫌がる娘の腕をつかむ行為を『暴行』とみることも可能でしょうが、腕をつかむ行為は家庭という密室で行われており、立証の壁が高い。少なくとも強制わいせつ罪には問いにくい事案であることは確かで、従来であれば、児童福祉法違反など軽微犯罪で終わっていた可能性もありました」

 警視庁が2021年に発表した「刑法犯に関する統計資料」によると、2020年に警察が認知した監護者わいせつ事件は5件しかなく、家庭という密室内での犯行は依然として立証しにくい状況がわかる。それでも今回の立件につながったのは、県警の執念と言えるのかもしれない。

「滋賀県内では、人口に比して性犯罪の発生件数が相対的に多く、滋賀県警も性犯罪捜査において一定の技術経験知識を蓄積しています。家庭という“密室犯罪”に対して、かなり綿密な捜査を遂げた上で、監護者わいせつ罪に問えると判断して立件したのだと考えられます。監護者わいせつ罪は処罰範囲を広げていますが、とはいえ、家庭という密室で起きる犯罪を立件するのは容易なことではありません。性犯罪捜査のプロを多く擁する滋賀県警の執念が、本件の立件を導いたと言っても過言ではないでしょう」(前出・全国紙記者)

 親という立場を利用した犯行は、許されるものではない。

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