国内

母親が11歳娘に覚醒剤与えて交際相手とのわいせつ行為を撮影、立件した滋賀県警の執念

大津地裁(時事通信フォト)

大津地裁(時事通信フォト)

 交際相手と共謀して、当時11歳の娘にわいせつな行為をし、その様子を動画撮影したなどとして、監護者わいせつや児童ポルノ禁止法違反などの罪に問われた母親の判決公判が11月22日に大津地裁で行われた。大嶋真理子裁判官は、懲役3年6カ月(求刑懲役4年6カ月)を言い渡した。母親は娘に覚醒剤入りのコーヒー牛乳を与えた上で、交際相手とわいせつ行為に及ぶ姿を携帯電話で撮影するなどしていたという。

「覚醒剤で娘の自由を奪えると考えたのかもしれませんが、覚醒剤には鎮静作用や催眠作用はなく、むしろ逆に作用します。それに今回のような経口摂取の場合、変な味がするのですぐに気づかれます。結果的に娘の抵抗を抑圧できず、母親は嫌がる娘の腕をつかみ、交際相手にわいせつ行為をさせたのです。積極的に犯行に関与した点については、裁判官も『母親として子どもを監護・養育する立場でありながら……』と厳しく指摘しています。

 母親とこの交際相手は、マッチングアプリで知り合ったそうですね。この男性も監護者わいせつや児童ポルノ禁止法違反などの罪で起訴されていて、大津地裁で公判中。被告の男性は起訴内容の一部を否認していますが……」(全国紙記者)

 こうした卑劣な行為は、娘が当時11歳だった2020年6月だけでなく、今年3月にも行われていたという。

覚醒剤を飲ませる行為は「暴行」には当たらない

 かつて、親から子へのわいせつ行為を処罰する刑法上の規定はなかった。虐待問題に詳しい弁護士が解説する。

「わが子にわいせつな行為をしたり、させたりした親を強制わいせつ罪に問おうとして、『暴行・脅迫』という要件をクリアできないケースがこれまでも多くありました。親であれば、暴行・脅迫を加えなくても、子どもを意のままに操ることができるからです」

 しかし、「監護者であるがゆえに子どもに何をしても罪に問えないというのはおかしい」という社会的な議論が高まり、2017年の刑法改正で“監護者わいせつ罪”が新設された。監護者わいせつ罪とは、どのように規定されているものなのか。

「監護者わいせつ罪とは、18歳未満の者に対し、現に監護する者がその影響力に乗じて、わいせつな行為をすることで成立する犯罪です。ここで注目すべきは、『影響力があることに乗じて』という要件です。親が子に対して及ぼす影響力(心理的、物理的な支配)に着目して、処罰範囲を広げたのです。

『影響力』と一口にいっても幅広いのですが、たとえば、わいせつ行為に応じないとご飯を食べさせないとか、友達と会わせないとか、学校に行かせないとか、監護者としての影響力を行使し、これに乗じて、わいせつ行為に応じさせた場合などが想定されています」(前出の弁護士、以下同)

 こうした法律が整備されていなければ、今回の事件は非常に軽微な扱いになる可能性もあった。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン