(c)2022「天上の花」製作運動体
飾らない人柄でスタッフ受けは抜群!
何より今作では、入山を抜擢した片嶋一貴監督や、プロデューサーの寺脇研氏の彼女への想いがひじょうに熱い。寺脇氏に素顔の入山について取材をしたところ、「今作の慶子とは大きく雰囲気が異なる明るくて楽しい方」としたうえで、微笑ましいエピソードを教えてくれた。
今年2月、寺脇氏が東出の主演舞台『悪魔と永遠』(本多劇場)を片嶋監督らスタッフと共に観に行ったときのこと。関係者口から入場しようとしたところ、「一般の方の行列の中に入山さんがフツーに並んでいたのです。『どうしたの?』と訊ねたら、『東出さんが出ていると聞いて、観に来ました』と。チケットも御自分で買っていたのです。20年近いキャリアをもつのに、偉ぶったところも、澄ましたところも一切ない素晴らしい人柄に、スタッフはみな、ヤラれてしまっています」という。
『天上の花』では、「約2週間の撮影期間の記憶が全くない」というほど役に没頭していたという入山法子。これについては、長年、彼女のことを見てきた別のスタッフが次のように語る。
「作品によって、監督の色に染まれるので、その都度、異なる種類の華を咲かせられるのです。芯がとても強く、大木(たいぼく)のようでもありながら、柔軟さもあり、つつましやかで、1歩、2歩、下がることもできる。エキセントリックな役もできれば、3のセンもやれるので、本当に今後が楽しみです」と。
今年は、中村ゆりや松本若菜ら、遅咲きと言われる美人アラフォー女優が続々と開花し、知名度を上げ、役の幅を広げている。今年8月で37歳になった入山も、『天上の花』をきっかけに、ジャンプアップする予感がしてならない。
◆山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ~テレ)、『アップ!』(同)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)などに出演中。CM各賞の審査員も務める。
(c)2022「天上の花」製作運動体
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