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社会学者・宮台真司氏、襲撃被害の直前にツイッターユーザーと交わした過激な議論

舌鋒鋭い発言が特徴の社会学者・宮台真司氏(写真/共同通信社)

舌鋒鋭い発言が特徴の社会学者・宮台真司氏(写真/共同通信社)

 11月29日夕方、東京都立大のキャンパスで同大教授の社会学者・宮台真司氏が首などを切られ重傷を負う事件が発生した。

「宮台さんは授業直後、帰宅するために歩いていたところ、男に後ろから頭を殴られた上、刃物で首や左脇などを複数回切り付けられた。男は逃走中(12月1日時点)で宮台さんも『暗がりだったので犯人については分からない』と説明していますが、目撃情報から20~30代の若者とみられている」(全国紙社会部記者)

 宮台氏は1990年代、社会現象になっていた女子高校生による「援助交際ブーム」に切り込む気鋭の社会学者として注目を浴びた。援助交際を行なう女子高校生を取材した著書『制服少女たちの選択』はベストセラーに。以降、多くのメディアで社会や政治を論評していたが、「クズ」「ヘタレ」と舌鋒鋭い発言が賛否を呼ぶこともあった。

 事件当日もニュースキャスターの安藤優子氏と「タワマンに住むのは幸せか」というテーマで対談した動画での発言について、ツイッターでユーザーと議論を交わしていた。

〈(タワマンに住むと)無刺激症候群になる〉
〈俺は金があるんだといってタワマンの上層に住む人はノータリン。頓馬〉

 動画で社会学の観点からこう発言していたところ、一部のユーザーから批判が寄せられる。切り取られた言葉しか見ていないユーザーに宮台氏は〈文脈を読め。頭わるいの?〉〈究極の頓馬を発見したので、さらします〉などと連日、応対していた。

 宮台氏は過激なワードをちりばめながら、「クソ社会」への警鐘を続けてきたという。

〈簡単に言うと『僕が経験した社会の劣化ってなんなんだろう?』ということが疑問になって。もともと国家権力で日本社会の権力の歴史を研究していた昔とった杵柄もあるので、そこは分析できるんじゃないかと思っていろいろ作業するようになった〉(教育ジャーナリスト・おおたとしまさ氏の著書『麻布という不治の病』より)

 犯行には、宮台氏のスケジュールを事前に把握するなど計画性が窺える。これもまた、宮台氏が説く「社会の劣化」の現われなのか。

※週刊ポスト2022年12月16日号


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