芸能

映画『カメラを止めるな!』 劇場支配人も驚く「連日の舞台挨拶がさらなる宣伝に」

2018年12月31日の『カメラを止めるな!』年末上映後の舞台挨拶の様子

2018年12月31日の『カメラを止めるな!』年末上映後の舞台挨拶の様子

 池袋シネマ・ロサでの『カメラを止めるな!』上映後にゲリラ的に開催されたイベントの数々は、作品が大ヒットする要因の一つとなった。その裏側を、池袋シネマ・ロサ支配人の矢川亮氏に、映画史・時代劇研究家の春日太一氏が聞いた。

 * * *
──上田慎一郎監督やキャストたちによる熱心な宣伝活動に対し、劇場側はどう迎え入れましたか?

矢川:もうこれは徹頭徹尾付き合おうと、事前に何も言われてなくても、準備をしていました。

 最初は申し訳なかったんです。なにせ全く告知のないまま、毎日のように舞台挨拶が展開され始めたんです。毎日、一生懸命に来てくれているのに、初期の数日間はマイクも無しの地声で「ありがとうございました!」って言っていただいてたんです。だから、挨拶できるように『カメ止め』を上映する時はマイクから何からあらかじめ全部用意して、上映後に監督たちがすぐに飛び出てもいいようにフォローしてあげようと腹を括っていました。

 この舞台挨拶がさらなる宣伝になるわけです。毎日舞台挨拶をしてるらしいと聞いて、どんどんお客さんが増えていきました。

 お客さんもK’sの最終回を観終わった後、大急ぎで当館に来たり、キャストと一緒に新宿から池袋まで移動した人もいたようです。

 だんだん動員が止まらなくなってきて、当館もレイトショーだけじゃなくて上映回数を増やさないと対応できないという状態が七月に入ってから始まりました。

 レイトの前にもう一回『カメ止め』をかけるとなると、その入れ替え時間が必要になります。ロサの規模だと通常は十五分か二十分なんです。

 でも、「いつ監督たちが来てイベントをやるかわからないから」ということで、入れ替え時間を五十分に決めたんです。彼らは舞台挨拶をやって、希望者にはパンフレットにサインをします。満席だと、二、三百人いたら全てさばくのに五十分近く必要になります。ですから、それに対応できるようなタイムテーブルを組みました。

 変な話、その入れ替え時間を全部足して詰めていったら、『カメ止め』はもう一、二回上映できるんです。でも、絶対それはしないようにしようと。

 とにかくお客さんが少なかろうが多かろうが、監督かキャストが来て「舞台挨拶をやらせてほしい」となったときに、「時間がないから駄目」と断わらないようにしようって決めて、ずっとそうしましたね。

関連記事

トピックス

あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
ツキノワグマは「人間を恐がる」と言われてきたが……(写真提供/イメージマート)
《全国で被害多発》”臆病だった”ツキノワグマが変わった 出没する地域の住民「こっちを食いたそうにみてたな、獲物って目で見んだ」
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
NEWSポストセブン