2023年のプロ野球について熱く語り合った3人(左から、達川光男氏、江本孟紀氏、中畑清氏)
一方、レギュラークラスということでは、西武の森友哉がFA宣言してオリックスに移籍。その結果、オリックスで76試合に出場し日本一も貢献した伏見が日本ハムへとFA移籍した。江本氏は「不思議だよね。あのクラスがFAで移籍できるというのが」と口にすると、達川氏は「(年俸が)安いから行けるんですよ。伏見の年俸は4500万円。人的補償がいらないので他球団も手を挙げやすい」と解説。そのうえで達川氏はこう話した。
「オリックスでは同じポジションの若月(健矢)より自分のほうが上だと思っているのに、出してもらえないから移籍を選んだのでは。日本ハムに行けば試合に出られるということでしょう」
たしかに、森が移籍してくれば伏見の出場機会はさらに減る可能性が高い。その森のリードについて、達川氏は「下手じゃないけど真面目にやったら上手いよ」と評す。江本氏の「それどっちよ」というツッコミにはこう応じた。
「森のリードは打たれ始めたらええ加減になる。ええキャッチャーは1点やったら2点目をやらないようにするが、森は5点取られたら6点も一緒というタイプ。来季は移籍1年目だから猫かぶって頑張ると思うよ。オリックスのピッチャーがいいからね。シーズン中にいろんなことがあったから、まっさらにしたいんじゃないかな」
昨季の森は4月の試合で交替後にロッカールームでマスクを投げつけ、それによって右手指を骨折するという事態に陥ったが、新天地で心機一転、再起を図りたいのではないかと達川氏はみているのだ。現役捕手の中では打撃は一級品だが、江本氏は「オリックスの本拠地の京セラドームは西武ドームのように簡単にホームランにはならないと思うよ。ヒットを打って打率を上げれば貢献できますよ」とコメントし、中畑氏も「2019年に首位打者を獲った時のバッティングをしてくれればいいよね」と応じていた。
チームの勝敗を左右するポジションだけに、FA移籍した3人が新天地でどのような活躍を見せるか、注目となる。