新幹線を待つ寺岡会長
今年、六代目山口組は分裂抗争終結に向けて大きく動いた。6月、井上組長宅に六代目山口組関係者が銃弾を数十発発射、翌日には絆會(元・任侠山口組)の織田絆誠会長宅に六代目山口組関係者が車両特攻と、抗争終結に向け相次いでトップをターゲットにした。2020年7月に神戸山口組を離脱して独立組織として活動していた池田組の池田孝志組長も10月、散髪中に襲撃している。
対立する神戸山口組は組織が大きく揺れ動いた。8月に寺岡会長の離脱があり、9月には入江禎副組長(宅見組組長)も離脱。前出の池田組も離脱しているため、これで分裂の首謀者とされた“絶縁5人”が別組織で活動していくことになった。
「抗争はなにが起こるかはわかりませんが、昨年末の時点で単純な構成員数で六代目山口組と神戸山口組は大差がついていた。絆會を含めて反六代目山口組組織で協力していく動きはありますが、組織がバラバラになってしまったため大きな抗争をより起こしにくくなった。
しかし、今年74歳を迎えた井上組長は“80歳まで六代目山口組と戦う”と徹底抗戦の意志を見せていると言われています。とはいえ他の幹部たちは必ずしもそうとは言い切れない。実際、寺岡会長が神戸山口組を離脱したのも、抗争終結に向けて六代目山口組側と水面下で交渉を続けていたが、井上組長がNGを突きつけたことがきっかけとみられている。今回、寺岡会長が引退という選択肢ながら六代目山口組から“許し”をもらえたことは神戸山口組をはじめとした対六代目山口組を掲げる組織の最高幹部たちにとって非常に大きなこと。すでに7年を超えた山口組分裂抗争だが、来年終結に向けて大きく動く可能性が高い」(同前)
見送りに頭を下げる寺岡会長
寺岡会長は1人で新幹線に
新横浜駅に六代目山口組関係者らが
六代目山口組の2023年方針は和親合一。分裂抗争以降変わらない
神戸山口組の指針は「最後まで誠意を貫き通す」という意味を込めている