落選直後の高見さん(写真/共同通信フォト)

落選直後の高見さん(写真/共同通信フォト)

 死因は「がん性腹膜炎」だった。この病気について、医療ガバナンス研究所の内科医・上昌弘さんが説明する。

「胃や腸、肝臓などの臓器は腹膜という大きな袋に覆われています。その腹膜全体にがん細胞が広がった状態です。卵巣がんは腹膜転移しやすいので、女性はリスクが高く、高見さんのように、がんの判明から1か月で亡くなってしまう場合もあり得ます」

 高見さんのように、違和感を覚えながらも全身への転移が見つかるまで病が進行したことについてはこう指摘する。

「たとえば、肺がんなら止まらない咳、子宮がんなら下腹部の痛みなど、ステージIVに至るまでに何らかの自覚症状は出ているはずです。ただ、女性の多くは痛みに強く、『自分は大丈夫』と思いこんで検査を受けないことが多い。結果、判明時には手遅れとなってしまうのです。高見さんもこのようなケースだったのかもしれません」(上さん)

 昨年12月24日の告別式には喪主の長男(20才)とともに、高見さんの介護を受けてきた90才を超える母親の姿もあった。

「参院選の立候補を高見さんが悩んでいると、お母さまが『推してくれる人がいるなら、一か八かやってみなさい。やって後悔するよりも、やらずに後悔する方がよくないから』と背中を押したそうです。最愛の娘さんに先立たれて、お母さまはどれだけおつらいことか……」(永江さん)

 どんなに頑張りたくても、自分の体に無理を強いてはいけない──高見さんが残してくれた教訓を生かしたい。

※女性セブン2023年1月19・26日号

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