初場所は打ち出し後の退場のやり方に変化が
相乗効果で熱戦続き
贔屓の力士が土俵に上がると四股名を呼ぶ声が飛び交い、土俵際でもつれると悲鳴のような声援が館内に響き渡る。コロナ禍以前の土俵に戻ったことで、力士たちも声援に力をもらったかのように粘り強い相撲が増えた。
熱戦が続いているのは“番付効果”もあるという。60年ぶりとなる4関脇4小結という異例の番付のうえに、横綱・照ノ富士が全休。主役なき土俵が続いている。近年例を見ない番付編成によって、連日の好勝負が生まれていると話すのはある若手親方だ。
「序盤から4関脇4小結の総当たりとなり、これに平幕上位の翔猿、大栄翔、御嶽海、玉鷲、阿炎、翠富士が絡むことで、土俵上では星の潰し合いが続いている。ひとり大関の貴景勝は2日目に早くも土がつき、5日目には三役以上で勝ちっ放しがいなくなるなど横綱や大関候補が次々と消えていくが、それを上回る熱い戦いで館内は異常なまでの盛り上がりですよ」
そんな力士たちの背中を押しているのが、今場所から解禁された声出し応援というわけだ。相乗効果によってこれからも土俵上での熱戦が続きそうだ。
ただ、館内アナウンスが規制退場を促しているものの、「お楽しみ抽選会」が終了したことで打ち出し後の客席は統制が取れずに出口に観客が集中するなど以前よりも密の状態となっている。「お楽しみ抽選会」の復活を望む声は多い。