おみくじで大吉を引いた巨人の戸郷翔征(同球団提供。時事通信フォト)
新外国人はタイラー・ビーディ、ヨアン・ロペス、フォスター・グリフィン、ヨアンデル・メンデスなど4投手、ルイス・ブリンソンという1野手を獲得した。
「どのチームも同じですが、特に巨人の場合は新外国人選手が計算できない。昨年、ポランコとウォーカーがそれなりの数字を残しましたが、来日1年目の外国人選手が2人とも20発以上打ったのは球団初の快挙でした。投手はマイコラスなど当たりもありましたし、ビエイラやデラロサは一時期クローザーを務めるなど貴重な戦力として働きましたが、計算はできない。やはり生え抜きの若手選手が出てこないと、優勝は見えてきません」
理想となるのは「2007年の投手陣」
現在の投手陣を見渡して、シーズン通して活躍できると期待できるのは、WBC侍ジャパンのメンバーに選ばれた戸郷翔征くらいではないか。長年エースに君臨してきた菅野智之はここ数年、打たれるシーンも目立っており、以前のような安定感はない。
「昨年、桑田真澄投手コーチ(今年はファーム総監督)が手塩にかけた山崎伊織や赤星優志、堀田賢慎、井上温大などの若手が1本立ちしないと優勝は厳しいでしょう。彼らの中から2人が1年間ローテーションを守って、8~10勝するようならペナントに近づくと思います」
近年、巨人で2桁勝利を上げる投手は年間に1~2人になっている。昨年は戸郷が12勝、菅野が10勝、一昨年は高橋優貴が11勝、2020年は菅野が14勝、2019年は山口俊が15勝、菅野が11勝、2018年は菅野が15勝をマークした。
「ヤクルトは2桁勝利投手ゼロで2連覇していますし、今の野球はリリーフ陣の占める比重が大きい。ただ、巨人の場合は、大勢が去年のような活躍をできるか未知数ですし、中継ぎの中心となる高梨雄平は6年連続40試合以上登板しており、“勤続疲労”も懸念される。中継ぎが登板過多にならないよう細心の注意を払って起用する高津臣吾監督と違い、原監督はマシンガン継投を繰り返してしまいがちです。先発が試合を作って、リリーフに頼らない展開に持ち込みたいところでしょう」
2007年、原監督が5年ぶりの優勝を果たした時は内海哲也、高橋尚成、木佐貫洋の3人が2桁勝利、新人の金刃憲人も7勝を挙げた。リリーフでは若手の西村健太朗が57試合、育成から上がった山口鉄也が32試合に登板し、上原浩治が抑えに回って32セーブ。生え抜き中心の投手陣でペナントを奪還した。