スポーツ

単勝50倍以上の人気薄が馬券圏内に入ることは6レースに1回ある

競走馬には適性がある

ダートの短距離は荒れやすい傾向(イメージ)

 馬券が当たればもっと競馬は楽しくなる。それが穴なら尚更だ。競馬ライターの東田和美氏が考察した。

 * * *
 軍資金に余裕のないファンにとって、頼もしいのは人気薄でも馬券圏内に駆けてきてくれる「穴馬」の存在。たった1レースだけでそれまで散々だった収支をプラスにすることもある。

 そこで2022年度に行なわれたJRA全3455レースのうち、ここでは単勝オッズ50倍以上の馬が馬券圏内にきたレースを調べてみた。

 3着以内に絡んだのは585レース。およそ6レースに1回、つまりひとつの競馬場で1日2回は人気薄が絡むという確率だ。これが100倍以上となると216レースで16回に1回だが、3場開催ならやはり1日に2回お目にかかれているという計算になる。

 ただしそのうち1着になったというのは91レースだから2.6%、つまり40回に1回程度。さらに単勝万馬券は35回なので100回に1回だ。

 昨年は2月12日の東京12レースで16頭立ての16番人気、単勝549.4倍という、歴代3位の超ド級単勝万馬券も出た。12月に入ってからの9日間では単勝オッズ50倍以上が55レースで馬券に絡み、25日有馬記念当日の中山7Rでは1着12番人気72.1倍、3着16番人気512.3倍で、1、3着のワイド払戻金が史上最高の16万620円になったりしている。三連複が162万円、三連単は864万円だったのも記憶に新しいところ。

 もちろん「単勝50倍以上」の馬は1レースに何頭もいる。こればかりは予想紙やテレビ・ラジオ解説に頼っていては見つけられない。パドックや返し馬で光っている「やけによく見える馬」を探すのは穴党の醍醐味。パドックは能力ではなく状態を見きわめる場所、見るべきはやはり返し馬だ。主観ではあるが、芝よりダートの方が激走しそうな雰囲気が伝わってくるような気がする。返し馬をじっと見ている人が少ないのはあまりにももったいない。

 人気薄の馬が激走するのは当然レース数が多い下級条件。1着馬がもっと多いのはダートの1勝クラス、ついで芝の1勝クラス、次いでダートの3歳未勝利戦、芝の3歳未勝利戦となっている。勝ちきった総数では芝の方が多いが、6~12月の2歳戦で芝レースが多いためか、芝とダートにそれほど大きな差はない。

 ただし人気薄の馬が2着、3着に飛び込んでくる確率はダートが57%と上回る。こちらで多いのは共に3歳未勝利戦。次いで1勝クラス、2勝クラスとなっている。ダート2勝クラスでは芝1勝クラスよりも人気薄が激走した回数が多かった。

 また、距離別では芝が1400~2000mのレースが最も多いのに対して、ダートではマイル以下が半数以上を占めている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン