市川團十郎が「三番叟」を舞う(時事通信フォト)
実は今回、髷にハサミを入れた「280人」というのは、決して多くはない。元横綱・朝青龍の時は380人、元関脇・水戸泉(現・錦戸親方)は470人を集めた。
「白鵬の翌日に国技館で元前頭・豊響(現・山科親方)の断髪式が行なわれました。現役時代の実績では遠く及ばないのに、白鵬を上回る403人がハサミを入れています。つまり、現役時代を支えた多くの関係者が髷を切っていったわけですが、白鵬のほうは現役時代の恩義にかかわらず100万円があればハサミを入れられるようなやり方で、それで人数が絞られた側面があるでしょう。力士の魂とも言える髷をそんなふうに扱うことへの疑念も生じるだろうし、協会幹部との間には溝が感じられます」(同前)
ただ、断髪式を支えた裏方スタッフや力士の評判はすこぶるいいという。
「引退相撲では断髪式の他に、力士会が全面協力して選抜戦、初っ切り、幕内の取組など、1日がかりで花相撲が行なわれる。裏方や土産物を扱う茶屋関係者は総動員となる。通常は無償だが、白鵬は裏方や一門関係者に3万円の“骨折り(謝礼)”を包んだという。カネの使い方を知っているというか、今回の件で白鵬の株が一気に上がっています」(前出・協会関係者)
※週刊ポスト2023年2月24日号