両親との葛藤に囚われてきた私は、その言葉が胸に残りました。
病院や託児所で赤ちゃんを見ると、そのなかに自分たちのような宗教被害を受ける赤ちゃんがいるかもしれないと思って、いたたまれなくなります。
赤ちゃんは親のことを無条件に好きになります。その子たちに、「あなたたちの親が運悪くカルトの毒親だったのは自己責任です」なんて言うのはあまりにもひどいし、そんなかわいそうな子どもたちをこれ以上生み出したくないと思います。日本がそういう国であってほしくありません。
この国はずっと宗教の問題を放置し続けてきました。子どもたちを守るためには法律と子どもの環境の整備が必要で、これからも私は微力ながらも自分にできることを訴えかけていきたいと思っています。
(了。第1回から読む)
※週刊ポスト2023年3月10・17日号