現在、WBCで3大会ぶりの優勝を目指して1次ラウンドを戦う日本代表チーム。メジャーリーグで活躍するダルビッシュ有(36才)と大谷翔平(28才)という2人の“キーマン”を呼びよせ、世界一奪還を目指す栗山英樹監督(61才)は、今大会にもう1つの意義を感じている。「zakzak」(2023年2月10日)のインタビューで栗山監督は《子供たちが野球をやらなくなっている》と危惧した上でこう続けた。
《だからこそ、このWBCが本当に大事なんだって僕は言っている。選手たちにもそれは伝えながらチームを作ってきた。これは日本の野球のためなんだというのを理解してもらいながら。ダルだってあの難しい決断の中で『行きます。野球のために行きますよ』って言ってくれているわけで。そういうふうな使命感を持っている感じは受けますね》
すべては未来を夢見る野球少年のために──ダルビッシュが少年時代に所属した野球チーム「羽曳野ボーイズ」を率いる監督の山田朝生さんは普段からダルビッシュの熱い思いを肌で感じているという。
「有はシャイだから表に出さないけど、うちの野球チームの子供たちのためにピッチングマシンや移動用のマイクロバスを寄付してくれています。ぼくが、ピッチャーが実際に投げた球を打たせて練習させているのを見て、あいつは“監督、いつまでもそれではダメやと思います”と言って最新型のマシンを贈ってくれた。クールに見えるけど、本当は子供思いで義理人情が大好きなやつなんです」
大リーグ評論家の福島良一さんが語る。
「宮崎合宿ではダルビッシュのファンサービスが際立っていましたが、あれは“メジャー仕込み”。メジャーリーガーは特に子供たちに対しては徹底的なファンサービスをする。というのも、球界の未来は子供たちにあるという考えがあるからです」