芸能

有村架純、趣里ら若手女優が次々挑戦する「風俗嬢役」演技派への新たな“登竜門”に

難しい役柄を演じきった有村架純(時事通信フォト)

難しい役柄を演じきった有村架純(時事通信フォト)

 2月23日にNetflixオリジナル映画『ちひろさん』が公開された。原作はドラマにもなった『ショムニ』などの人気作で知られる安田弘之氏の同名漫画だ。弁当店で働く元風俗嬢のちひろと、彼女に惹かれて集まる海辺の街の人々との交流を描いた作品で、主演のちひろ役は有村架純(30)が演じている。

 現在放送中のNHK大河ドラマ『どうする家康』で徳川家康(松本潤)の正室・瀬名を演じるなど“清純派”としてのイメージが強いだけに、元風俗嬢役を熱演した姿には驚きと賞賛の声が上がっている。映画評論家の秋本鉄次氏が言う。

「すでにビッグネームになった有村架純が元風俗嬢役という難しい役柄のオファーを受けたことに驚きましたし、女優としての気概を感じました。この役で恐らく“等身大の自分ではない”役柄を演じることで、彼女自身も葛藤しながら成長するきっかけになったのではないでしょうか。本人もその苦悩をインタビューで明かしています。

 これまでの役どころは、たとえラブシーンがある役だとしても『役に寄っていく、もしくは役を引き寄せるようなアプローチの仕方で撮影をさせていただいていた』が、今回は『自分が近づくとまた離れて、近づくとまた離れて……と磁石のようにくっつかない感覚が最後まであった』と語っています。ですが、こうした別世界の女性を演じたことで演技の幅は確実に広がったと思います」

役柄も「たくましく生きる女性」に変化

 また秋本氏は、有村に限らず近年の若手演技派女優は作品や役柄選びのなかで「元風俗嬢」という難役にあえて挑戦している流れがあると指摘する。

「2023年秋からのNHK朝ドラ『ブギウギ』の主演が決まった趣里(32)が映画『零落』で、唐田えりか(25)が映画『死体の人』でそれぞれ風俗嬢の役柄を熱演しています。また、すでに実力派として確かな実力と知名度を誇る尾野真千子(41)も映画『茜色に焼かれる』でコロナ禍で懸命に生きるシングルマザーの風俗嬢を演じた。そうした人気女優が演じるからか、役柄自体も変わってきています。

 一昔前はどことなく暗いイメージ、例えば借金返済や悪い男がいるような元風俗嬢の設定が多かったですが近年はどこかあっけらかんとした、一つの職業として割り切ってたくましく生きる女性の姿として描かれる傾向にあります。そのため、難しい役柄ではありますが時代的背景も含めて女優として貴重な経験が得られる作品なのだと思います」(秋本氏)

 ちひろという難しい難役を爽やかに、それでいてどこか陰のある雰囲気を残しながら見事に演じ切った有村。さらなる飛躍のきっかけともなる同作の演技は必見だろう。

※週刊ポスト2023年3月24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
NEWSポストセブン