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ラランド・ニシダが語る“芸人のうわさ話”が膨らむ理由「たまにすごいのが回ってきます」

ラランドのニシダと高橋氏が、「うわさ」をテーマに対談

ラランドのニシダと高橋氏が、「うわさ」をテーマに対談

 2013年夏、わずか12人しか生活していない山口県の限界集落で、一夜にして5人が殺害された。犯人は同じ集落の住民。真相を突き止めるため、ライターの高橋ユキ氏は現地取材を試みたが、住民たちのうわさ話に翻弄されて──高橋氏が上梓した『つけびの村』には、うわさの恐ろしさが克明に描かれている。同書を「人生を変えた10冊」に挙げるお笑いコンビ・ラランドのニシダと高橋氏が、「うわさ」をテーマに対談を敢行した。

 * * *

ニシダ:大量殺人事件のノンフィクション『つけびの村』を書いたかたで、それも女性のライターさん──いったいどんな人なのだろうと想像していて。今日は、あえて高橋さんの顔を調べずにきたんです。まさか、爪の先だけおしゃれなネイルをする人だとは想像していませんでした。

高橋:なんか寝間着みたいな恰好で、事件記者っぽさもなければ、全然ハードボイルドじゃなくて、すみません。でも、ニシダさんこそ、きっちり10分前にいらしていたじゃないですか。テレビ番組やYouTubeだと遅刻魔な印象があるから、驚きました。

ニシダ:いやいや! 朝はしっかり遅刻しますよ。この対談は、たまたま夕方だったので。

高橋:現場で取材をしたり、ご本人に会ったりすると、〈うわさ〉や〈みんなが言っていること〉とちょっと違う一面が見えてきますよね。ニシダさんが、実はちゃんとした人だったり。

ニシダ:やりづらいなあ(苦笑)。『つけびの村』は、それこそ〈みんなが言っていること〉、〈うわさ〉をひとつずつ確かめに行く話ですよね。一晩で5人もの村人を撲殺した殺人犯は、本当に〈他の村人たちからイジメられていた〉のか。犯人の母親は〈夜這いの犠牲者〉だったのか。最初はnoteで知って、すぐに単行本を買って。増殖するうわさの恐ろしさに引きずられて、一晩で一気読みしました。

芸人のうわさ話に〈本当の話〉はない

高橋:ニシダさんは、うわさ好きですか?

ニシダ:高橋さんは?

高橋:人が落ちぶれた話とか、あの人は裏ではこうだとか。けっこう嫌いじゃないです。

ニシダ:ああ、いいなあ。悪い顔でほほ笑んでらっしゃる(笑い)。芸人の世界なんて、そんなのばっかりですよ。

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