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宮崎特産「完熟マンゴー」の秘密 温度は徹底管理、全体が赤く色づくよう反射板を使用

果実全体に太陽光を当てるため、白い紙の「反射板」を取り付ける岸本和樹さん(右)と義父の日髙悟さん(撮影/横田紋子)

果実全体に太陽光を当てるため、白い紙の「反射板」を取り付ける岸本和樹さん(右)と義父の日髙悟さん(撮影/横田紋子)

 宮崎県の特産品「完熟マンゴー」は、果実を一つずつネットに包み、熟してネット内に自然落下したものだけを収穫する。昔は木からもぎとって収穫していたが、自然に落下したマンゴーを食べて甘かったことから、ネットを使う栽培法が生まれた。

 完熟マンゴーのなかでも重さ350g以上、糖度15度以上などJA宮崎経済連が定めた厳しい基準をクリアした最高級品が「太陽のタマゴ」だ。例年4月中旬に初セリが行なわれ、8月下旬ごろまで出荷される。

 宮崎市のマンゴー農家・岸本和樹さんは、義理の両親の跡を継ぐ決意をし、5年前からマンゴーの栽培に取り組む。

「甘いマンゴーを作るには花が命。受粉にはミツバチを使いますが、ハチが蜜を好むような花を咲かせないと、うまく結実しません。実がついてもハウス内の温度が24度以下になると糖度が上がらないので、温度管理も徹底します。果実が全体的に赤く色づくように反射板を使って太陽光を当てる工夫もしています」

 巨大な自動空調を24時間使って、ハウス内は徹底した温度管理がされる。世界には数百種以上のマンゴーがあるといわれるが、「太陽のタマゴ」は大玉で真っ赤なアーウィン種。果肉はとろけるようで、濃厚な味わいだ。重さ、見た目の色、傷の有無など出荷前にチェックを行なう。岸本さんのハウスは3月下旬から出荷のピークを迎え、多い日は1日2000玉を出荷するという。

取材・文/戸田梨恵

※週刊ポスト2023年3月31日号

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