そのほか、都道府県など地域性による健康寿命は百寿者にも共通しており、「地域の伝統的な食生活、温暖で寒暖差がないなどの気候の影響は大きい」という。
同様に、百寿者の職業にもある傾向が出た。20年前に都内で実施した百寿者調査によると、かつて教職に就いていた人が百寿者の12%に上り、昭和初期当時の教職者の割合(1%未満)から考えるとずば抜けて多かった。
医学的にも遺伝的にも、そして性格的にも「老化が遅い」のが、110歳以上のスーパーセンチナリアンたち。新井教授は、彼らに共通する「ある力」に着目する。
「若い頃から元気モリモリの人が100歳まで生きるわけではない。病気やつらい出来事があっても、乗り越えて生活を続ける“適応力”がある人が多いという印象です」
「人生100年時代」に向けて、この研究は様々な局面で参考になるはずだ。
※週刊ポスト2023年4月7・14日号