ライフ

食事量を減らしてもやせられないのは「モナリザ症候群」か? 肥満患者の7割が該当するとのデータも

(写真/PIXTA)

食事を減らすダイエットはむしろ悪(写真/PIXTA)

 産業医として年間5万人に健康指導をする総合内科専門医の益江毅さんは「食べなければやせるという考えはもう古い」と話す。

「実は、食べ方やタイミングさえ工夫すれば、ダイエット中でも、食べてはいけないものはない。食事を減らすことは健康に悪いばかりか、やせにくい体をつくることにつながります」(益江さん・以下同)

ダイエットの成功は肝臓に左右される

 やせにくい人は、肝臓に脂肪がたまった状態の「脂肪肝」になっていることが多い。脂肪肝は脂質の摂りすぎや過度の飲酒だけでなく「食事を減らすこと」でも引き起こされる場合がある。

「脂肪肝とは、中性脂肪が肝臓に蓄積された状態のこと。本来、中性脂肪は肝臓にエネルギー源として貯蔵され、そこから筋肉や細胞など、全身に運ばれます。ところが、食べる量が減ってたんぱく質が不足すると、脂肪が体に運ばれなくなる。こうして、使われなかった中性脂肪が肝臓にたまってしまうのです」

 これを「低栄養性脂肪肝」といい、たとえ見た目はそれほど太っていなくても、肝臓にはたっぷり脂肪がついていることも少なくない。

 実際に、日本人の3割が脂肪肝だといわれている一方で、日本でBMIが25以上の「過体重」の人は全体の2割程度。

 低栄養性脂肪肝になると代謝が落ち、食事を減らしてもやせなくなり、やせるためにさらに食事を減らし、さらに肝臓に脂肪がたまり……という悪循環に陥りかねない。

 内科医の左藤桂子さんも、肝臓の状態がダイエットの成功を左右すると話す。

「肝臓はアルコールなどを分解する『解毒代謝』のほか、余分な糖をエネルギーに変えて必要に応じて使う『エネルギー代謝』などの役割を担っています。それをまっとうしてもらうためには、充分なたんぱく質が必要なのです。

 脂肪肝になるとその他の内臓機能の低下やホルモンバランスの乱れを引き起こすことによっても、太りやすくなると考えられます」(左藤さん)

 食事量を減らしてもやせられないのは「モナリザ症候群」の可能性もある。自律神経の切り替えがうまくいかず、代謝が悪くなる状態のことだ。

 医師で医療ジャーナリストの森田豊さんは、肥満患者の7割がモナリザ症候群だというデータもあると語る。

「自律神経には、体の“アクセル”になる交感神経と“ブレーキ”になる副交感神経があります。

 通常、朝起きると交感神経がオンになってアクセルがかかる。すると活動量を上げるためにアドレナリンが分泌されます。アドレナリンには、消費カロリーを上げて脂肪を燃焼し、ため込みにくくする働きがある。ところが、昼夜逆転など生活リズムが乱れていたり、起きてからダラダラ過ごしていると交感神経がオンにならず、代謝が上がらないまま一日を過ごすことになるのです」(森田さん)

 つまり、いくら甘いものをがまんして努力しても、体の“やせスイッチ”が入っていなければ意味がないのだ。

※女性セブン2023年4月20日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《真美子さんの艶やかな黒髪》レッドカーペット直前にヘアサロンで見せていた「モデルとしての表情」鏡を真剣に見つめて…【大谷翔平と手を繋いで登壇】
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《永瀬廉と浜辺美波のアツアツデート現場》「安く見積もっても5万円」「食べログ予約もできる」高級鉄板焼き屋で“丸ごと貸し切りディナー”
NEWSポストセブン
誕生日を迎えた大谷翔平と子連れ観戦する真美子夫人(写真左/AFLO、写真右/時事通信フォト)
《家族の応援が何よりのプレゼント》大谷翔平のバースデー登板を真美子夫人が子連れ観戦、試合後は即帰宅せず球場で家族水入らずの時間を満喫
女性セブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《永瀬廉と全身黒のリンクコーデデート》浜辺美波、プライベートで見せていた“ダル着私服のギャップ”「2万7500円のジャージ風ジャケット、足元はリカバリーサンダル」
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこ(45)の自宅マンションで身元不明の遺体が見つかってから2週間が経とうとしている(Instagram/ブログより)
《遠野なぎこ宅で遺体発見》“特殊清掃のリアル”を専門家が明かす 自宅はエアコンがついておらず、昼間は40℃近くに…「熱中症で死亡した場合は大変です」
NEWSポストセブン
この日は友人とワインバルを訪れていた
《「日本人ファースト」への発言が物議》「私も覚悟持ってしゃべるわよ」TBS報道の顔・山本恵里伽アナ“インスタ大荒れ”“トシちゃん発言”でも揺るがない〈芯の強さ〉
NEWSポストセブン
亡くなった三浦春馬さんと「みたままつり」の提灯
《三浦春馬が今年も靖国に》『永遠の0』から続く縁…“春友”が灯す数多くの提灯と広がる思い「生きた証を風化させない」
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《タクシーで自宅マンションへ》永瀬廉と浜辺美波“ノーマスク”で見えた信頼感「追いかけたい」「知性を感じたい」…合致する恋愛観
NEWSポストセブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《産後とは思えない》真美子さん「背中がざっくり開いたドレスの着こなし」は努力の賜物…目撃されていた「白パーカー私服での外出姿」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
《資産3億円の現役ホテルマン》兼業投資家・まっつんさんは時間が取れない忙しい仕事のなかでどう資産を築いたのか 家賃収入が年1000万円になっても仕事を辞めない理由
《資産3億円の現役ホテルマン》兼業投資家・まっつんさんは時間が取れない忙しい仕事のなかでどう資産を築いたのか 家賃収入が年1000万円になっても仕事を辞めない理由
マネーポストWEB