新しいゴミ処理施設の建設工事

新しいゴミ処理施設の建設工事

「高市大臣に状況を報告した」

 一方、組合の管理者(代表)を務める天理市の並河健市長は、本誌の取材に対し“疑惑”の存在をきっぱりと否定する。

「ゴミ処理施設のような大きな建物をすぐ建てられる造成済みの土地は、ここくらいしかなかったんです。高速のインターチェンジからも近く、自治体からゴミ収集車が集まるのにも便利です」

 また、土地が賃借の理由は、こう言う。

「天理教ではなく、地元住民の要望です。購入すると“迷惑施設”であるゴミ処理場が固定化されるため、賃借で進めてほしいとの声が強かった。天理教もゴミ処理施設を歓迎しておらず、一生懸命お願いして、賃料も決まったんです」(同前)

 荒井知事の疑問の声については、こう言い切る。

「新型コロナ禍で、私が『荒井知事のコロナ対策には不備もある』と指摘をしたら、敵視され始めたんです。組合の事業も槍玉にあげられ、おかしな“疑惑情報”が出回るようにもなった。組合に参加する自治体を中心に県内には荒井不信が広まり、高市会長ら自民党奈良県連も今回の知事選では平木氏を推す一方、荒井知事は強行出馬。私に言わせれば、何の問題もないゴミ処理施設建設を荒井知事が無理に“疑惑化”したことが、今回の自民の分裂と敗北の原因の一つです」

 平木氏は高市氏の総務大臣時代の秘書官。並河氏は平木氏の後援会副会長を務め、「平木選対は高市・並河ラインで動いていた」(地元政界関係者)そうなのだが、平木氏は次点で落選。「高市大臣は県連会長として、党分裂を回避できなかった責任はある」「“子分”の平木氏をプッシュするのに忙しく、調整能力には疑問符がついた」と怒る県内の自民党支持者もいた。

 さらに、今回入手した組合の会議録によると、並河氏は2015年6月、ゴミ処理施設への環境省の補助金に関する問題で高市氏を訪問したという。資料にはこう記されている。

「全国市長会に合わせて上京した際に、高市大臣、堀井先生(編集部注:奈良選出の堀井巌・参議院議員)に状況を報告した」

 さらに、昨年8月20日に行なわれたゴミ処理施設の起工式と安全祈願祭には、高市氏が最前列に招待されていたことも、組合の資料に残されている。高市事務所によると、「当日は地元秘書が代理で出席した」という。

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