国内

岸田首相の“ファミリー政治”「本当に信用しているのは息子と嶋田隆・総理秘書官くらい」

岸田文雄・首相が頼りにしているのはやっぱり身内か(長男の翔太郎氏/時事通信フォト)

岸田文雄・首相が頼りにしているのは身内ばかり?(写真は長男の翔太郎氏/時事通信フォト)

 現役総理が襲撃されるという事件の裏で何が起きていたのか。昨年起きた安倍晋三・元首相の暗殺事件を彷彿とさせる凶行に誰もが危機感を募らせるなか、最も変わらなかったのが岸田文雄・首相その人だった。もっとも間近で見ている記者たちは、岸田首相の「鈍感力」に気づいたという。本誌・週刊ポストは覆面座談会を緊急開催。メンバーは政治部キャップクラスのベテラン記者A氏とB氏、第一線で取材する若手のC氏とD氏だ。【全3回の第3回。第1回から読む

 * * *
司会(編集部):安倍元首相には側近とまで呼ばれた記者や評論家が何人もいた。岸田首相には食い込んでいる記者はいるのか。

記者A:現役の記者が政治家に取り込まれてスポークスマンのようになるのは問題だが、政治家が信頼する記者の話に耳を傾けるのは、国民の関心や政策への評価といった最新の民意を汲み上げるひとつの手段でもある。歴代総理はメディアに人脈を持っていた。しかし、岸田総理にアドバイスしたり、腹を割って話せる記者がいるという話は聞いたことがない。

記者C:岸田さんは若い番記者にも、つきあいの長いベテラン記者にも同じ話しかしません。よく言えば公平な対応ですが、記者に壁をつくって誰も信用しないから何を聞いてものらりくらりで決して本音は言わない。

 官邸内でも、総理が本当に信用しているのは翔太郎氏と身内同然の嶋田隆・総理秘書官くらいでしょう。

記者B:政策面でも総理が頼りにしているのはやっぱり身内。父方の従兄弟の宮沢洋一・参院議員です。宮沢氏が自民党税調会長として防衛増税のレールを敷き、岸田総理はそれに丸乗りした。総理のサプライズ人事といわれた植田和男・日銀総裁や稲葉延雄・NHK新会長(元日銀理事)の起用も、宮沢氏の助言とされている。

記者A:稲葉会長は宮沢氏の中学・高校の同級生、植田氏は宮沢氏の大蔵官僚時代に同省に出向していた経験があり、同時期に米国留学していた知己といわれる。総理自身はふたりとほとんど接点がなかったが、ノーマークの人物を起用して“総理主導”を印象づけたかったから、信頼する従兄弟の宮沢さんに勧められて飛びついたという。

 いまや岸田政権の重要事項は嶋田秘書官と宮沢氏で決めているとさえいわれる。まさに岸田ファミリー政治だね。

 * * *
 外交は素人の裕子夫人を前面に立て、政権の宣伝担当は長男・翔太郎氏がプロデュース、そして国民への増税など重要政策は従兄弟の宮沢氏が仕切る。この国の政治は岸田ファミリーに“私物化”されているかのようだ。

(了。第1回から読む

※週刊ポスト2023年5月5・12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
「パー子さんがいきなりドアをドンドンと…」“命からがら逃げてきた”林家ペー&パー子夫妻の隣人が明かす“緊迫の火災現場”「パー子さんはペーさんと救急車で運ばれた」
NEWSポストセブン
豊昇龍
5連勝した豊昇龍の横綱土俵入りに異変 三つ揃いの化粧まわしで太刀持ち・平戸海だけ揃っていなかった 「ゲン担ぎの世界だけにその日の結果が心配だった」と関係者
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン