スキンケアは趣味でありエンタメでもある。伊藤さんは愛用の製品を、大好きなNIKEのスニーカーの箱に収納している
スキンケアのビジネスモデルは、ギターのエフェクターと同じ
スキンケアの世界は、初心者にはとても複雑のようだ。第1に、種類が多い。第2に、陳列が独特。第3に、専門用語が多い。
「まず、化粧水→乳液→美容液と、『重ねてつけていく』ということがよくわからなかったんです。全部付けたら混ざっちゃわない? と不安になりました(笑)。今なら、一つひとつの効用がわかるんですが。それからデパートなどで、スキンケア製品は種類別ではなく、『メーカー別』に売っているというのも驚きでした。『乳液』がほしいと買いに行っても、お店に乳液のコーナーがあるわけではなく、メーカーごとに見ていかなくてはいけなくて、最初は戸惑いました」
伊藤さんは細分化された
スキンケア製品のビジネスモデルを、趣味であるギターの「エフェクター」になぞらえて理解していくというユニークな発想で、スキンケアの世界を攻略していく。また、メーカー別の陳列は、出版社ごとに本が並ぶ書店の考え方と同じだと気付いた。伊藤さんの本には、メーカー別の製品の特徴がまとめられていて、スキンケア入門書としても役立つ。
そしてスキンケア業界には専門用語がある。<テクスチャー><こっくり><デパコス>……。「8割が初めて聞く言葉だった」という伊藤さんは、新しい外国語を覚えるようなときめきを感じながら、スキンケア用語を学んでいった。