総合演出の日置祐貴氏(C)フジテレビ
「売れている芸人も出場」の嬉しい誤算
──エントリー数は133組でした。最初は少ないなと思ったのですが、この出場制限内で、よくこれだけ集まったなという気もします。
日置:そもそも16年以上、同じ組で漫才を続けている人というのは、そんなにいないと思うんですよ。
──しかも全国ネットの漫才コンクールで優勝した人は出られないという縛りもある。つまり、まだブレイクし切れていないと感じている芸人が主役になる大会だというイメージもあるので、出場者はさらに絞られますよね。
日置:当初、100組ぐらい集まったらいいよね、と考えていたんです。でも、ふたを開けてみたら、スピードワゴンさんや三四郎さんという全国的にも名前が売れている組まで出てくれた。そこは、むしろ驚きでしたね。
──私は選考会から二度のノックアウトステージと、すべての予選を観覧したのですが、世の中には、こんなにも知られていないのに、こんなにもおもしろい芸人が、こんなにたくさんいるんだ、ということに驚きましたね。
日置:そこがTHE SECONDらしさですよね。結成24年目になるツーナッカンというすごくおもしろいコンビも出ていたのですが、私も今回の選考会で観るまで知らなかったんです。彼らが決勝に残ったらすごいことになるなと思って観ていたんですけど、ノックアウトステージ開幕戦の「32→16」で残念ながら負けてしまいましたね。
──去年、M-1の準々決勝に残ったのが116組だったんです。なので、キャリアを考えれば当然なのですが、THE SECONDは最初の選考会からそれと同レベルの争いなんだなと思いました。
日置:エントリー数は他の賞レースより少ないですが、そのぶん1つの戦いの重さが違いますよね。
──最初に大会の概要が発表されたとき、優勝賞金に関しては、まだ何も知らされていませんでした。もし、最初から1000万円と公表していれば、もう少しエントリー数も伸びたのではないかと思ってしまったのですが。
日置:発表が遅れたのは2つ理由があったんです。1つは、ベテラン漫才師への敬意を込めて、1001万とか1002万にしたかった。そうすれば、国内最高賞金のお笑い賞レースと言えるじゃないですか。でも、いろいろ調べたら、テレビ番組の賞金の上限が1000万までだったんです。抜け道はないかと可能性を探ったのですが、結局ダメで。そこの調整に時間がかかってしまった。あとは単純にやることが決まってからの準備期間が短か過ぎました。なので優勝賞金のことまで、なかなか手が回らなかったんです。
石川:ただ、発表の段階で東野(幸治)さんがすでにMCを引き受けてくださっていたので、最初のリリースでコメントも出せました。東野さんが番組の顔になったことで、漫才師さんも安心してくださり、エントリー数も増えたと思うんです。それはとても感謝しています。