かつて「沖縄の星になりたい」と語っていたという山川(時事通信フォト)
地元愛が強く、プロ野球選手になったばかりの頃の登場曲は、BEGINが歌う『オジー自慢のオリオンビール』。沖縄を離れてからも、山川はひたむきに故郷を背負い続けた。そこには、「なんくるないさ」に象徴される沖縄に対するイメージへのもどかしさもあったようだ。
「沖縄出身で活躍したプロ野球選手は少ない。山川選手もプロ入り後に『だから沖縄はダメだ』と心ない言葉を何度もぶつけられたそうです。『ゆったり穏やかな“なんくるないさ”の精神が勝負事に向いていない。なんくるないさ、ではいけない』という持論を持っており、『沖縄の星になりたい』と目を輝かせて語っていました」(スポーツ紙記者)
沖縄を代表する覚悟で飛び込んだプロ野球の世界。パ・リーグ本塁打王とMVPに県出身者として初めて輝いた功績などが認められ、2018年には那覇市民栄誉賞が授与された。授与式には過去所属していた少年野球チームのメンバーも集まり、山川は「僕が野球を始めた原点は那覇市」と笑顔でコメントしていた。同栄誉賞は市・県民に大きな誇りと希望を与え、那覇市の名声を全国に広めたとして、2000年に安室奈美恵にも授与されている。
市民栄誉賞の取り消しはありえるのか。那覇市役所に問い合わせたところ、「現在、推移を注視している状況です。市民からは数件、(山川選手の市民栄誉賞を問題視する)連絡はありました」との回答だった。
6月27日と28日には、沖縄セルラースタジアム那覇にて、西武ライオンズ主催での試合が開催予定となっている。山川の活躍を楽しみにしている地元ファンも多いはずだ。初めて本塁打王を獲得したとき、山川はこのようにインタビューで語っていた。
〈僕が今年、来年と駄目だったら、『やっぱり沖縄か』とまた言われる。プロ野球の歴史に何かしらの形で“山川”の名を刻めたら。沖縄の人でもこの場所で戦える、勝てると思ってほしい〉(沖縄タイムス)
その「沖縄の人」は今、何を思う。