2021年9月20日、「インスタライブ」に出演する岸田文雄氏(左)と裕子夫人(右)、長男で秘書の翔太郎さん(時事通信フォト)

2021年9月20日、「インスタライブ」に出演する岸田文雄氏(左)と裕子夫人(右)、長男で秘書の翔太郎さん(時事通信フォト)

 政策秘書官に起用された時から、良くも悪くも人々の注目を集めてきた。首相の地盤や看板を引き継ぐのは彼だとみられるが、世襲に対する世間の目は決して温かいものではない。ましてベテラン秘書官を差し置いての起用には、身内びいきという批判が噴出。それに対して岸田首相は“適材適所への判断”“危機管理に迅速に対応”などと長男の起用理由を述べた。

 だが本当に彼は適材だったのかと疑われる問題が発覚。今年1月、首相の外遊に同行した際に、公用車を使って観光名所を巡ったり、高級百貨店に土産を購入しに行ったのだ。翔太郎氏の行動はまるで海外出張してきた会社員のようで、首相秘書官とは思えなかった。公私混同や脇の甘さが指摘され、彼自身が危機だという声さえ聞こえたが、首相は続投を決めさらに身内に甘いと非難された。問題になった2つの出来事を見ても、彼の感覚はいわゆる一般人だ。注目されるのは父であり、世襲とはいえ自分の行動がそこまで衆目を集めるとは思っていなかったと思われる。おそらくそれが彼の地なのだろう。

 だがもし翔太郎氏に「スポットライト効果」があれば、状況は違っていたかもしれない。この効果は、周りは自分にそれほど注目していないのに、実際以上に他の人に注目されていると思い込む、自分の外見や行動が他人から注目されている程度を過大評価する傾向のことをいう。自意識過剰かもしれないが、新人の政治家や公人にとって、プラスの側面もあるバイアスだと思う。常に人に見られている、注目を集めていると思えば、人は自分の外見や言動を絶えず気にするようになるからだ。

 世襲は一般とスタートラインが違うと言われるが、それだけ立ち居振る舞いや言動、資質や能力においても、他より厳しい目を向けられる。スポットはいつ誰に当たるかはわからない。世襲の皆さん、気をつけましょう。

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