国内

「公人というより一般人」だった岸田翔太郎氏 「スポットライト効果」があれば首相秘書官という公人の自覚持てたか

岸田翔太郎・元首相秘書官(右奥)。左手前は発言する岸田文雄首相。5月15日(時事通信フォト)

岸田翔太郎・元首相秘書官(右奥)。左手前は発言する岸田文雄首相。5月15日(時事通信フォト)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、6月1日付で首相秘書官を辞任した岸田文雄首相の長男、翔太郎氏について。

 * * *
 岸田文雄首相が、長男で首相秘書官を務める岸田翔太郎氏が6月1日付で秘書官を辞職すると発表した途端、多くの情報番組では出演する政治ジャーナリストらが”乗り切れるとは思わなかった”という声が大きくなった。そりゃそうだろう。誰が見てもあの写真はアウトだ。国会で野党の議員から「公私混同も甚だしい」と指摘されてしまった翔太郎氏。なぜ彼は、こんな行動を取ってしまったのだろう。

2022年末に公邸で親戚と忘年会を開き、そこで撮った集合写真が批判を浴びた翔太郎氏。文春オンラインが24日に配信した記事には、公邸の公的スペースである赤いじゅうたんが敷かれた階段に、親戚11名と並んで写る写真が載っていた。新閣僚のひな壇写真を模したもので、首相の立ち位置には翔太郎氏が立っていた。写真は他にも流出しており、親戚一同、公邸での忘年会を楽しんだ様子がよくわかる。

 公邸という普段入れない場所で、気心の知れた親戚が集まり飲んで騒いで公邸見学を行った。赤いじゅうたんが敷かれた階段があれば、みんなで記念写真を撮ってみたくなるという気持ちもわからないではない。それなら新閣僚を真似てとノリで撮りたくなるのも、一般人ならありえる。きっとこれまでもそんな写真を撮った人はいただろう。だが首相秘書官自らが並んでしまうという感覚は、あまりに普通すぎて、公人というより一般人のそれだった。

 それに公邸でのひな壇写真となれば誰かに見せたくなるのが心理だ。誰が写真を流出させたのか不明だが、写真が一旦、外部に出てしまえば、どこまで流出・拡散するのかわからない。翔太郎氏はそのリスクを認識していなかったということだ。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン