抜歯後の処置はさまざまあるが、近年はインプラントをすすめる歯科医が多い

抜歯後の処置はさまざまあるが、近年はインプラントをすすめる歯科医が多い

 もし疑いがある場合、すぐに検査を受けて治療する必要があるが、恐ろしいことに間違った方法がまかり通っているという。スウェーデン・デンタルセンター院長の弘岡秀明さんはこんな指摘をする。

「中には治療以前にそもそも歯周病であるかどうか、またそれがどの程度のものであるのかについて、きちんとした検査が行われていない歯科医院もあります。

 歯周病診断は基本的に、歯周ポケットにプローブという細い金属棒を差し込んで深さを測定するという方法で行っています。その際、適切な圧力をかけることが必要なのですが、場合によっては痛みを伴うこともある。中には患者が来院しなくなることを恐れ、弱い圧力しかかけない歯科医もいる。しかしこれでは正確な診断はできず、歯周病の進行を見逃すことになってしまう」(弘岡さん・以下同)

 検査は痛くなかったし歯周病の疑いもないとホッとしていたら、実は検査が甘かっただけで歯周病の進行を促していたのならば、本末転倒だ。

「ずさんな歯周病検査に加えて、自由診療で行う口内細菌の検査をすすめる歯科医院も少なくないがこれも特殊なケースを除き、治療の最初にやる意味はない。

 どんなタイプの歯周病菌がどれくらいいるかを調べる検査ですが、原因菌がどれであろうと治療法は変わりません。お金儲けのための検査というほかありません」

“歯医者ファースト”の治療法がはびこっているのは歯周病治療の分野だけではない。

 小学生の息子がいる北海道在住のBさん(39才・仮名)はこんな経験をした。

「息子の虫歯治療で近所のデンタルクリニックに行ったら銀歯をかぶせられて。アメリカに駐在していた同級生のママ友にそれを見られて『銀歯って、まだやってる病院あるんだ』とすごく驚かれたんです。見た目も悪いし、もっといろいろ調べてから歯医者さんに連れて行けばよかった、と後悔しています」

 虫歯を削った後の処置として、当たり前だった銀歯には、いくつもの問題点があり、範囲の広い虫歯以外は、レジン治療に置き換えられるようになってきた。

 しかし、保険診療で認められているので、今も一定数のデンタルクリニックが銀歯での虫歯治療を行っているという。

『やってはいけない歯科治療』の著書があるジャーナリストの岩澤倫彦さんが解説する。

「銀歯治療は、すでに“時代遅れ”となりました。銀歯を装着するためには、たとえ虫歯が小さくても一定の容積が必要なので、健全な歯まで削ることになる。結果として歯の寿命が短くなるので現在、虫歯治療の主流は銀歯からコンポジットレジンに移行しています。

 これは、プラスチック系素材がペースト状になったレジンを接着剤の塗布後に流し込み、光を当てて固める方法。見た目は天然歯とほぼ同じで、歯を削る範囲は最小限に抑えられます。耐久性も銀歯と同等という報告もあります。

 大きく広がった虫歯以外ならレジンで治療できるといわれていますが、いまだに銀歯にこだわる歯科医もいるので、注意が必要です」

※女性セブン2023年6月15日号

受けてはいけない治療と特徴

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