これまで本誌・週刊ポストで何度も地震予測を的中させてきた「MEGA地震予測」。そして今、新たな地域への緊急警戒を呼びかけている。
東大名誉教授の村井俊治氏が立ち上げた地震科学探査機構(JESEA)が配信する「MEGA地震予測」は、国土地理院が全国約1300か所に設置する電子基準点のGPSデータを使って地表の動きを捉え、1週間ごとの上下動の「異常変動」、長期的な「隆起・沈降」、東西南北の「水平方向の動き」などの指標を総合的に分析している。
5月5日に起きた能登地方地震(M6.5)をはじめ、5月22日の新島・神津島近海(M5.3)や5月26日の千葉県東方沖(M6.2)など各地で大きな地震が相次ぐなか、JESEA主席研究員の郭広猛博士は、週刊ポスト5月22日発売号で千葉県や伊豆諸島といった地域に警戒を促していた。
そんな郭博士が新たに警鐘を鳴らしている地域が「近畿地方」だ。
「5月中旬に『隆起・沈降』で、和歌山県の太平洋側の地域での沈降の拡大が確認されました。沈降は大地震が発生する前によく観測される現象で、周囲の隆起との境目に歪みが溜まっていると考えられるため、警戒が必要です」(郭博士)
現在JESEAは、従来の地表の動きの分析に加え、衛星画像データの解析など計10種類の予測法を組み合わせた「ピンポイント予測」を実用化。発生の切迫度がより高い時に限って、「場所」や「時期」、「規模」を明示し、警告を発している。予測的中率は70%を超える数字になるという。
その「ピンポイント予測」でも、「近畿地方」が対象エリアになっている。郭博士が語る。
「和歌山県で沈降の拡大が見られたのと同じ時期に衛星画像データの解析で、紀伊水道を中心とする近畿地方の地表や海上から、地震の前兆と思われるガスの噴出が確認されました。6月21日までにM5.5±0.5クラスの地震が発生する可能性があります」