2020年に調教師試験に合格した
さらに阪神の内回り2200mというのはトリッキーなコース設定です。直線までじっくり構えるというわけにはいかなくて、ジョッキーにしてみれば、できるだけ内にいなきゃいけない、もうちょっと前に位置しなければいけないとずっと急かされている感じがしてしまう。
そんなことでGI常連馬ばかりではなく、GIIやGIIIを闘ってきて、さらに状態が上がってきたような馬にもチャンスがでてくるかもしれません。2008年のエイシンデピュティなんかそうじゃないでしょうか。2010年に勝ったナカヤマフェスタも前走はオープン特別でしたが、このレースを勝って凱旋門賞に遠征して2着に頑張りました。アーネストリーやラブリーデイもここが初GI勝ちでした。
有馬記念は実績馬の引退レースになることが多いですが、宝塚記念の場合は、ここをきっかけにしてさらにステップアップしていくこともあります。そんなイメージで見ていくのもいいかもしれません。
【プロフィール】
蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。2021年2月で騎手を引退、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。
※週刊ポスト2023年6月30日・7月7日号