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【女優と農業の両立】小林涼子(33)がSDGsにこだわるきっかけになった「新潟で感じた危機感」「障がい者雇用への思い」

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2021年、株式会社AGRIKOを起業した女優の小林涼子(ステッカー提供)

 会社経営との「二足のわらじ」が話題の女優・小林涼子(33)。2021年5月に設立した株式会社AGRIKO(アグリコ)は、障がい者や高齢者らが農業を通じて活躍する取り組み「農福連携」を掲げ、国連が2030年までの達成を目指す17の課題「SDGs(持続可能な開発目標)」へのフルコミットを宣言している。企業経営に邁進する一方、女優業にも精力的だ。テレビドラマでは各クールの話題作に出演。春ドラマ『王様に捧ぐ薬指』(TBS系)では主人公の元カノ役を好演し、夏ドラマ『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系、7月13日スタート)にも出演予定だ。「女優業と農業」の両立にこだわる小林に話を聞いた。

 * * *
 小林涼子と会ったのは、東京・世田谷区にある『OGAWA COFFEE LABORATORY 桜新町』。京都の小川珈琲が運営するこのカフェの屋上に、彼女が手がけるアクアポニックス栽培(食用魚を養殖する水槽の水を循環させて水耕栽培で野菜を育てるシステム)を採用した農園『AGRIKO FARM(アグリコファーム)桜新町』がある。生産された魚や野菜はカフェでも提供されているという。店で出迎え、テーブルまで案内してくれた彼女の様子は実にテキパキとしていて、ビジネスマンとの打ち合わせに臨んでいるかのような気分になった。

「両親と、今は結婚して別に住む妹の4人家族で、ずっと世田谷で育ちました。本当にごくふつうの家庭だったので、会社を経営する……という環境は身近ではありませんでした。ただ、今の農園経営には家族も賛成してくれています。父は建築や土木に関わる仕事をしていたのでその経験を活かして、安全面やビジュアル作りについて、アドバイスをしてくれました」(小林涼子、以下同)

 子役の頃から続ける芸能界での仕事にも、両親の反対はなくむしろ協力的だったという。ところが、10代で疲労により、彼女のメンタルが崩れた。そこで新潟県にある父親の友人が営む農業をリフレッシュも兼ねて、手伝うことになる。これが後々の起業へとつながるのだから、人生とは分からない。

「ちょっと心が疲れました。大好きな女優の仕事のはずなのに、後退りするようになってしまって……。それが新潟県で稲作を手伝ううちに『ここなら生きていけるかもしれない』と思えました。田んぼでの土いじりはこの時が初めてではなく、幼い頃からとにかく自然に触れ合うことがデフォルトの家庭でした。都会っ子の割には自然と触れ合うことに抵抗がなかったんです」

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都会の屋上で野菜や魚を育てる「AGRIKO FARM桜新町」(ステッカー提供)

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「幼い頃から自然に触れ合うことがデフォルトの家庭でした」(ステッカー提供)

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