ベンチでもバッティングフォームの確認に余念がない

ベンチでもバッティングフォームの確認に余念がない(写真/共同通信社)

 書き出しと観察を毎日繰り返し、客観的に振り返る習慣がついたら、次はもう一歩分析を進める。

「同じ失敗をしないための対策法を3つ書き出しましょう。自分はこういうことが苦手だから練習しようとか、これを調べて準備しておこうといった、“やるべきこと”が見えてきます。

 分析を進めるうち、落ち込んだり、失敗を引きずったりという感情から切り離されるので、気持ちの揺らぎが少なくなります」

 大谷は左ひざの手術をした後、思うようにバッティングができない期間がしばらくあり、そのときに徹底的に自身のスイングのフォームを確認し原因を突き止めた。後に大谷はインタビューで、原因に気づく前の練習期間を「ムダな練習だった」と言い切ったが、その表情はどこか晴れやかだった。現状を正しく分析することのみにフォーカスできている証拠と言える。

 また大谷は試合後のインタビューで、自分のパフォーマンスとチームの中での役割について、毎日のように反省と課題を口にしている。すらすらと淀みなく語る姿からも、“書き出し”と“観察”が癖づいていることがわかる。

 大谷のようにすぐに冷静に分析することができなくても、焦る必要はない。

「書き出して残しておくことで、時間が経ってから冷静に見直すことができます。後から自分の行動を見返すいい材料として使うだけでも分析には充分です」

 頭の中だけで堂々巡りしてしまう、自分の思い込みで同じ失敗を繰り返す、わかっているけどなかなか実践できない──そんな人こそ、“大谷印”のニュートラル思考を実践してみてはどうだろう。

 WBC優勝で喜びを爆発させたり、チームメートにいたずらをしたりする一方で、冷静に客観的なニュートラル思考を駆使する大谷は、“メンタルも二刀流”だ。

※女性セブン2023年7月27日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

ギャンブル好きだったことでも有名
【徳光和夫が明かす『妻の認知症』】「買い物に行ってくる」と出かけたまま戻らない失踪トラブル…助け合いながら向き合う「日々の困難」
女性セブン
破局報道が出た2人(SNSより)
《井上咲楽“破局スピード報告”の意外な理由》事務所の大先輩二人に「隠し通せなかった嘘」オズワルド畠中との交際2年半でピリオド
NEWSポストセブン
男装の女性、山田よねを演じる女優・土居志央梨(本人のインスタグラムより)
朝ドラ『虎に翼』で“男装のよね”を演じる土居志央梨 恩師・高橋伴明監督が語る、いい作品にするための「潔い覚悟」
週刊ポスト
河村勇輝(共同通信)と中森美琴(自身のInstagram)
《フリフリピンクコーデで観戦》バスケ・河村勇輝の「アイドル彼女」に迫る“海外生活”Xデー
NEWSポストセブン
『君の名は。』のプロデューサーだった伊藤耕一郎被告(SNSより)
《20人以上の少女が被害》不同意性交容疑の『君の名は。』プロデューサーが繰り返した買春の卑劣手口 「タワマン&スポーツカー」のド派手ライフ
NEWSポストセブン
ポジティブキャラだが涙もろい一面も
【独立から4年】手越祐也が語る涙の理由「一度離れた人も絶対にわかってくれる」「芸能界を変えていくことはずっと抱いてきた目標です」
女性セブン
生島ヒロシの次男・翔(写真左)が高橋一生にそっくりと話題に
《生島ヒロシは「“二生”だね」》次男・生島翔が高橋一生にそっくりと話題に 相撲観戦で間違われたことも、本人は直撃に「御結婚おめでとうございます!」 
NEWSポストセブン
木本慎之介
【全文公開】西城秀樹さんの長男・木本慎之介、歌手デビューへの決意 サッカー選手の夢を諦めて音楽の道へ「パパの歌い方をめちゃくちゃ研究しています」
女性セブン
大谷のサプライズに驚く少年(ドジャース公式Xより)
《元同僚の賭博疑惑も影響なし?》大谷翔平、真美子夫人との“始球式秘話”で好感度爆上がり “夫婦共演”待望論高まる
NEWSポストセブン
綾瀬はるかが結婚に言及
綾瀬はるか 名著『愛するということ』を読み直し、「結婚って何なんでしょうね…」と呟く 思わぬ言葉に周囲ざわつく
女性セブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
やりたいことが見つかると周りがみえなくなるほど熱中するが熱しやすく冷めやすいことも明かした河合優実
大ブレイクの河合優実、ドラマ『RoOT/ルート』主演で感じる役柄との共通点「やりたいことが見つかると周りが見えなくほどのめり込む」
NEWSポストセブン