スポーツ

脱・丸刈りは本当に推進すべきなのか「最後は高校球児っぽく、坊主かなと思って」と語ったドラ1候補の享栄・東松快征

坊主頭で笑顔を見せた東松

坊主頭で笑顔を見せた享栄高校の東松快征

 今年も8月6日に夏の甲子園が開幕するが、近年、高校球界で急激な変化がみられるのが球児たちの「髪型」だ。かつては当たり前だった「丸刈り」には、“時代遅れ”というイメージすら定着しつつあるが、果たしてそれは全面的にいいことなのだろうか?

 * * *

 この夏の地方大会が始まる直前、愛知の私立・享栄高校のグラウンドを訪ねると、ナインの頭髪に大きな変化があった。大藤敏行監督は2021年以降、愛知の私学四強(中京大中京、東邦、愛工大名電、享栄)の中で唯一、髪型の自由を認めていたが、その享栄の球児たちが、クリクリの丸刈り(坊主頭)となっていたのだ。

 言い出しっぺは、今秋のドラフトでの1位指名が予想される左の豪腕・東松快征だ。仲間に声をかけ、3ミリの長さの丸刈りで統一したという。その理由を東松はこう語った。

「やっぱり最後は高校球児っぽく、坊主かなと思って(笑)。似合いますか?」

 清涼感に精悍さが加わって、無論、好印象だ。本当はもうちょっと短く刈り込みたかったらしいが、「短すぎるのはみっともない」という大藤監督の反対に遭った。

「エンジョイベースボール」を標榜する慶應義塾(神奈川)や、髪型の自由化を高校野球改革の第一歩と位置づける花巻東(岩手)など、8月6日に開幕するこの夏の甲子園の出場校でも、球児の髪型が自由な学校も珍しくなくなった。

 日本高等学校野球連盟は今年6月、5年に一度実施している全国の硬式野球部を対象にしたアンケートの結果(回答があったのは加盟校の99.2%となる3788校)を公表した。そのなかで、頭髪を「丸刈り」にするルールがある学校は5年前の「76.8%」から「26.4%」に大きく減少。およそ4校に3校は、学校が髪型のルールを決めず、球児の判断にまかせていることがわかった。

 丸刈りになるのが嫌で、高校入学と同時に野球を辞めてしまう中学生は少なくない。減少傾向にある野球人口の歯止めの策のひとつとして、髪型を自由にする学校が急増しているのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン