白いロマンスカーで人気を博したVSEは、間もなく完全引退(2022年1月撮影:小川裕夫)
ちなみに、小田急ではVSEの後継として2018年に新型ロマンスカーのGSE(Graceful Super Express)を登場させている。現在、GSEは2編成が運行されているが、「2017年からEXEをリニューアルしたEXEαが運行していることもあり、GSEの編成を増やす予定はない」(小田急広報部の担当者)という。
「新宿線にもLaviewを走らせてほしい」
東武・小田急のほかにも、関東の大手私鉄で特急専用車両を走らせているのが、京成電鉄と西武鉄道だ。京成は成田空港を結ぶスカイライナーを運行。最新型のスカイライナーは2010年から運行を開始している。鉄道車両の寿命を考えると、まだ更新時期とは考えづらい。
一方、西武は2023年6月に開催された第18回定期株主総会で、株主から「新宿線に、いつ特急Laview(ラビュー)が投入されるのか?」との質問が出ている。
西武は新宿線と池袋線が二大幹線で、2019年に新型特急のLaviewが池袋線で運行を開始した。池袋線を走るLaviewは歳月とともに編成数を増やし、現在は7編成まで増えている
一方、新宿線にはLaviewが運行されず、いまだニューレッドアローという古い特急が走っている。
こうした状況を目の当たりにすると、新宿線の沿線住民や鉄道ファンから「西武は新宿線を冷遇している」と映るのだろう。それゆえに、「新宿線にもLaviewを走らせてほしい」という切実な訴えは理解できなくもない。しかし
「今のところ新宿線でLaviewを運行する予定はなく、新宿線で運行しているニューレッドアローの後継車の導入も検討していません」(西武鉄道広報部の担当者)という。